第6話
しばらく結界を張って待っていると、まだ若く見える男たち三人をその手に捕まえた結衣が戻ってくる。
「おかえり。ちゃんと全員捕まえた?」
「もちろん。抜かりはないわ」
僕の言葉に結衣が力強く頷く。
「それなら良かった」
「それで柴旅の方はちゃんと守れたかしら?」
「そっちに関しては見ればわかるでしょ?」
「まぁ、それはそうだけど……ちゃんと報連相は交わすべきでしょ。万が一もあり得るし」
「僕が守っている以上万が一なんてほぼあり得ないけどね」
僕はこれでも結構な強者である
ただの犯罪者風情には負けない……それこそ僕が周りを守れない時なんて神祇官上位ほどの強さを持った奴複数とか、壁の中に魔が入りこんでくるとか。
そんなときくらいしかないだろう。
「まぁ、そうだけどね……よしっと。じゃあ、みんな!」
結衣が視線を僕から神祇官の卵である子供たちへと視線を移す。
「今日はちょっとこの犯罪者たちを引き渡さなきゃいけなくなったから今日のところはこれでお終い!申し訳ないけど後は自主練で頑張って頂戴!」
「「「はい!」」」
結衣の言葉に子供たちが声をぴったりと揃えて頷く。
「良い返事ね……それじゃあ、私たちは行くから、あとは頑張って」
「あっ、私もついて行っていい?結衣さん」
「えぇ、良いわよ」
結衣は桜の言葉に笑顔で頷く。
「それじゃあ行きましょうか」
「んっ」
「はいです!」
僕たちは襲い掛かってきた犯罪者たちを上の方に引き渡すため、移動を開始するのだった。
「にしても最近治安悪くなってきているわね」
「……そうだね。人類は魔に浄化されるべき!とか言う物騒な新興宗教も出来ているし……魔が人類を救うために神が送りたもうた天使扱いとかやめて欲しいよね。魔とか見た目的に絶対正義じゃない」
「ドラッグなんかも流行っているしね……ここ最近はちょっとヤバいわ」
「私たちも治安維持のために駆り出されるかもしれないわね」
「警察だけじゃきついのかもね」
「えぇ、そうね。私たちは外に任務を終えた後でもうしばらくは仕事ないだろうし、治安維持のために働いて良いかもね」
「えー、働きすぎじゃない?休むための期間だよ?」
「誰かが苦しんでいるのに休んでなんかいられないわ」
「流石です!結衣さん!」
……仕事が増えるのは嫌だなぁ。ダラダラしていたい。結衣が動くならちゃんと僕もお供するけどね?
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