第22話
僕の口からあふれ出した膨大な黒い液体……それらが幾数千ものナメクジのような形をとって一つに集まり、ドロドロの巨大な粘性の塊となって蠢く。
「───ひっ」
そんな魔に堕ちかける神様の姿を見た村人たちは悲鳴を上げ、動揺を露わにする。
「……これが、我らの神様なのか?」
そのあまりにも醜悪な姿に村人は信じられないとでも言いたげに目を見張り、ぽつりと言葉を漏らす。
「行くわ」
そんな村人たちを横目に大剣を構える結衣は地面を蹴り、神様へと斬りかかる。
結衣の一振りは強い衝撃を神様へと与え、その体の一部を弾き飛ばす。
「……」
神様の体がぶるぶると蠢き、その体が幾つもの触手が伸びる。
「キャッ!?」
「こっちに!?」
そして、その触手は村人の方へと伸びていく……だが、その触手は村人たちにまで届かない。
すべてを僕が撃ち落としているからだ。
「触手の対処は僕がするよ……だから、本体を削るのは結衣に任せるね?」
「えぇ。任せなさい」
僕の言葉に結衣は力強く頷き、大剣を神様へと叩きつけていく。
神様の体がどんどん弾き飛ばされ、あたりに黒い液体がまき散らされていく……地面に落ちた黒い液体は結衣の神聖術によって聖なる大地へと変えられている地面に染みこんで浄化されていく。
「……」
「行ける?」
「問題ない」
神様の体が更にぶるぶると震え、倍増した触手を前に僕へと尋ねてきた
二丁拳銃では追いつかないので、拳銃を更に五つ生み出してそれを神聖術で浮かせて次々と発泡していく。
僕の神聖力が込められた弾丸は簡単に触手を吹き飛ばす。
「……もっと増やすか」
ここに至って出し惜しみする必要もないと判断した僕は銃の数を更に25個ほど増やし、一斉掃射。
幾つもの弾丸はすべての触手を弾き飛ばすだけに飽き足らず、本体までゴリゴリ削っていく。
「……壮観ね。私はいるのかしら?」
神様のタックルを人間の脚力で抑えるどころか逆に押し返し、一方的に神様の体を吹き飛ばしている結衣がこの光景を見て苦笑交じりに呟く。
「ヘイトタンクお願いね?」
「わかっているわよ」
僕の言葉に結衣は頷き、大剣を一振り。
だいぶ軽くなった神様の体を天空へと持ち上げる。
「
そんな神様の体を僕は32個の銃で斉射。
体をゴリゴリと削っていく。
「……もう終わりかな?」
黒い黒い……魔の塊たる液体の多くを落とし、その一切を浄化してきた僕と結衣。
そろそろすべての魔を払い終えるだろう。
「これで終わり……
結衣がだいぶ小さくなった神様へと特大の神聖術をぶつけた。
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