第7話
村での生贄云々と言う話も当然解決しなければいけない話ではあるが、生贄云々と言う話はまだ一か月も先の話である。
「良し。それじゃあ、ここら辺に堕ちた神様の捜索を行きましょうか」
村の話よりも先に僕と結衣には取り込まなければないお仕事があった。
神祇官のお仕事は天から地上へと堕ち、力を失って眠りについている神様を起こして人類のためにその力を使うようお願いすることにある。
中央政府が持っている堕ちて眠っている神の気配を察知する謎の機械を使って探り当てた神の居場所。
あの村の近隣にいるであろう眠った神を探すため、僕と結衣はここにやってきたのである。
「神の気配を感じるかしら?」
「……匂いはしないかなぁ。まだわかんない」
僕は結衣の言葉に首を振る。
なんか神を見つけることの出来る僕のセンサーは今のところ反応していない……ここら辺ではないのかな?
「良し。それじゃあ、ここら辺の周辺を捜索して行くことにしようか」
「うん」
僕は結衣の言葉に頷いて、進みだした結衣のあとを追って歩き出す。
ボロボロに荒れ果て、一切整備がされておらず、色々と崩れてしまっている道を結衣と僕は慎重に進んでいく。
「……止まって」
「……」
小さく呟かれた結衣の言葉に僕は無言で従い、物陰へと隠れて動きを止める。
「……」
僕よりも少し前で同じく隠れる結衣が神聖術で自分たちの気配を消しながら、一切油断なく僕たちから少しばかり離れたところで呑気に散歩している魔を見据える。
見た目としてはかなり大きな魔であり、その見た目通り強い部類に入る魔である。
僕と結衣の二人であればなんとか倒せなくもない魔ではあるが、こんなところでド派手に戦闘なんてしたら目立ちに目立って魔に囲まれてそのままバットエンドだ。
絶対に見つかるわけにはいかない……決して見つかることがないよう僕たちは息をひそめる。
「もう問題ないかな」
小さく指を切り、むき出しの神経を地面に押し当てることで地面から得られる震度のなどの情報を入手し、耳を澄ませて音を探ると言った原始的な方法と神聖術で探るという神秘的な方法。
そのどちらも活用し、情報を集める結衣が安全になったと判断して動き出す。
「さっ、先に進みましょうか……村での問題も解決しなきゃいけないからね。私に課せられた任務を早く終わらせて村の問題に本腰入れて望みましょう」
「うん。わかった」
僕は力強く、頼もしい結衣の言葉に頷き、前へと進みだした結衣のあとを追って僕も再び歩き出した。
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