終焉の異世界編
第41話「それぞれの姉妹の過ごし方」
ここは裏生徒会、異世界の百合の園。
魔術を極めし魔女達が麗しき日常を過ごしている。
例えばこの二人、姉である氷の魔女エリシアと妹である風の魔女シルフィーヌである。
二人は紅茶を飲みながら談笑していた。
「さすがシルフィーの入れた紅茶はおいしいね」
「ありがとうございます、お姉様」
驕ることなく慎ましく受け答えをするシルフィーヌ。
これが淑女というものなのだろう。
一方で学園の中庭。
ここでは妹である雷の魔女イクリーサと姉である紫電の魔女レイナが模擬戦を行っていた。
「この辺で一息つきましょうか、イクリーサ」
「はい、レイナお姉様」
二人は小休憩に入ると水筒の水をごくごくと飲んだ。
その姿は優雅で華麗、荒々しさは感じさせない。
これも淑女の一つの姿なのかもしれない。
そして次は校庭。
そこでは炎の魔女候補生のエルデールが魔女認定試験に備えて、姉の紅蓮の魔女サティアの猛特訓を受けていた。
砂の入ったドラム缶を引きずって歩いている。
「お姉様・・・魔女に・・・ここまでの体力は・・・不要かと・・・思うの・・・ですが・・・」
「つべこべ言わずに走るんだよ!ほら後1周!」
これも淑女の一つの姿、なのだろうか・・・
そして最後に喫茶ポワレ。
ここでは妹である地球の魔女こと天道詩音と、姉である重力の魔女レオナが食事を楽しんでいる。
「今日のスイーツは私が考えたんですよ、お姉様」
「そう、それはおいしそうね」
「じゃあお姉様、あーん」
「そんな事しないわよ。人が見てるじゃない」
「一口だけでいいから、どうぞ食べて下さい!」
「・・・しょうがないわね。一口だけよ?」
「(やった!)」
詩音がレオナに一口だけスイーツを食べさせる。
その瞬間は双方共に至福の一時であろう。
これも淑女の嗜み・・・とは程遠い光景だ。
だが二人の仲良しっぷりを見てポワレの客達はこう思った。
「尊い・・・」と。
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