第36話「詩音の居場所」


天道詩音は生徒会長である。

しかし裏生徒会に入ってからはお姉様のレオナに首ったけである。

生徒会長の仕事はこなしてるが故に誰も文句は言えないが、書記のマリアは今の状況に悶々としていた。


「会長、今日も裏生徒会へ?」


「ええ、喫茶ポワレのシフトが入っているの」


「会長は学校の頂点にいるお方です。それがお給仕など・・・」


「いや、それが結構面白いのよ」


「シオン生徒会長・・・分かりました、私決闘します」


「え?誰と?」


「シオン生徒会長のお姉様、レオナ様です」



―学園中庭


「本当に勝負してしまっていいのかしら」


今回の決闘に違和感を覚えているレオナ。

一方で書記のマリアはやる気満々でいた。


「私が勝てば姉妹の関係は解消、シオン生徒会長は裏生徒会を抜けて頂きます」


「いいわよ、その条件で」


負ける気がなかったレオナは如何なる条件を飲む気でいた。

そして決闘が始まる。



「勝者、レオナ!」


レオナに大量の拍手が送られる。

今回の勝負はまるで勝負にならなかった。

書記であるマリアも優等生の魔術師だったが、重力の魔女の異名を持つレオナにはかなわなかった。



「さすがお姉様ですわ」


詩音がレオナに駆け寄る。

そしてそれを見てガッカリしているマリアにも詩音が駆け寄る。


「マリアも大丈夫?」


「私の事心配してくれるんですか?」


「そりゃそうよ、生徒会の大切な仲間ですもの。心配掛けてごめんなさいね」


「いいんです、会長」


マリアが詩音に抱き着いてきた。

詩音は普段のお姉様甘えモードから完璧会長モードに切り替える。

生徒会長としての責任を忘れてたと反省する詩音であった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る