誘拐編1

 繭、智花、ゆりは休憩中に恋バナをしていた。

 しかし翔の帰りが遅く話していた頃。


「…………ここは?」

 翔が目を覚ますと見覚えのない所に居た。手足が紐で塞がっていて、大きな腕輪をしていた。


「うーん…」

 翔は繭じゃなくて良かったと思い、どうしたものかと考える。


「とりあえずでるか!」

 翔は自身の力が規格外と自負している。魔力練ろうとしたが上手く練れなかった。


「えっ!」

 翔は戸惑いを隠せなかった。


「だ、……」

 誰かと呼ぼうとしたが呼んでも碌なことにならないと冷静になり黙り対策を考えるのだった。


 繭たち一番隊はというと、

「ちょっと心配なので探してきますね!」

 繭は翔の心配をし隊長部屋から出て行った。


 独立大隊棟探すが翔は居なく、加藤も不審に思い呼び出しをかけてもらった。

「独立大隊、一番隊二葉翔隊長至急隊にお戻りください」

 独立大隊棟に放送がかかる。


 しかし翔からの連絡なく戻っても来なかった。

「えっ、ちょ、ちょ、どうしよう」

 繭がとうとうテンパリ出した。


「落ち着いて繭ちゃん!」

 智花は繭を落ち着かせようとするが無理であった。


「携帯はどうですか?」

 加藤がゆりに確認とる。


「ダメです。繋がりません」

 ゆりが繋がらないと答える。


「ここからどこかに行ったのでしょうか?」

 加藤は棟から出たのかと言う。


「な、な訳ないでしょ!翔が私に何も言わずに!」

 繭が加藤にくってかかろうとする。


「落ち着いて、繭ちゃん!!」

 智花はびっくりし後ろから抱きつき止めに入る。


「ないと思いますが代表の所かもしてません。連絡してみます」

 加藤は繭の豹変振りに豊に連絡をとった。


 加藤が豊に連絡とるが豊は来ていなく頼み事もしていないと答えた。加藤は現状を話し、豊代表から特魔本部全体で呼び出しかけると指示がある。


「繭さん代表から一斉で呼び出しかけるから落ち着くようにと、伝言もらいました」

 加藤は繭に話すと、繭は少しは落ち着いた様子だ。

 智花は知っていたが、加藤とゆりは繭も十分翔のことになると危なっかしいと理解した。


「独立大隊、一番隊隊長、二葉翔、代表がお呼びです。至急連絡入れてください」

 一斉放送が流れた。通常の呼び出しより上の代表からの呼び出しだ。聞こえた場合どんな状況でも連絡しなくてはならない。


「代表…」

 加藤はすごい動きようだと思うのだった。

 豊は翔は無断で動くことはあっても、この場合なら連絡すると判断した。

 しかし連絡は無かった。


「はい。そうですか。かしこまりました。またご報告します。失礼いたします」

 加藤は代表からの連絡が入り受け答えをし電話を切った。


「……」

 繭、智花、ゆりは加藤の方を見つめる。智花は繭の手を握っている。


「連絡が無かったと報告がありました。何かに巻き込まれた可能性があるため、これより一番隊は捜索するようにと指示がありま…」「ガチャ」

「ま、待ちなさい!」

 指示がありましたと加藤が言おうとしたが、智花の手を払いのけ繭は隊長部屋を飛び出して行き、智花が追いかけて行った。


「副隊長……」

 ゆりは加藤のに指示を仰ぐ。


「志波補佐は湊隊員に任せて私たちは動きましょう!」

 加藤はゆりをつれ隊長部屋から隊部屋に出る。

 加藤が素早く各班に招集をかけ捜索に入る。

 伊藤五席だけが嫌な顔したが加藤の一睨みで正した。


「繭ちゃん、ま、待ってー」

 智花が繭を必死で追いかける。

 大隊棟を出ると繭が足を止めた。


「や、やっと追いついた」

 智花が息を少し切らし話す。


「ご、ごめんなさい」

 繭は少し反省する。


「でどうするの?」

 智花は繭の指示に従うと言う。


「え、いいの?」

 繭は驚き智花をマジマジ見る。


「探すんでしょ?加藤副隊長も捜索するって言ってたと思うから、私たちも探しましょ!繭ちゃん一人で動く気だったでしょう」

 智花はジトーと見る。


「うっ……」

 繭は図星を突かれ言い返せなかった。


「もし何かに巻き込まれていたなら繭ちゃん一人では危険だと思うよ」

 智花は心配だと話す。


「一緒に回ってください」「もちろん」

 繭は智花にお願いし、智花は承諾するのだった。

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