隊員募集編7

 ゆりは智花に翔と繭の関係はとコソッと聞いていた。

 

「なに?」

 繭は智花とゆりのコソコソ話を聞く。


「ゆりさんが繭ちゃんと翔くんの関係が気になるんだって」

 と智花が話す。


「ちょ!」

 ゆりは智花の口をおさえようとするが遅かった。


「ガチャ」

 加藤はそーっと退室して行った。


「私たちの関係?」

 繭はそういえばと考える。

 小さい頃結婚すると話したことがあり、お互い好き同士であることは知っている。中学になり付き合うことになったが特に変わったことがない。

 繭はもっと深く繋がりたいと思っていた。

「付き合ってはいます」

 と答えた。


「翔くんお茶欲しいなー」

 智花は翔に買って来てって頼む。


「えっ!なんで?」

 翔は首を傾げる。智花の机の前にはお茶があった。


「いいから、お願い!」

 智花は強く頼む。


「隊長をこき使うって」

 翔は笑いながらもお茶を買いに出かけた。


「で、で、」

 智花は繭に続きを求めた。


「でっと言われてもそれだけです」

 繭は下を向く。


「えー!キスはしたんだよね?」

 智花は当たり前だよね?と聞く。


「何回かした翔を止める為にといろんな時に……」

 繭は頬を赤らめ小さな声で話す。


「えっ!普通の時は?」

 智花は暴走の時かな?と思いそれ以外は?と聞く。


「彼女としては?」

 ゆりも目をキラキラさせて聞く。


「……」

 繭は黙ってしまう。


「もしかして無い…とか?」

 智花は察したが聞けずにはおれなかった。


「……なくはないけど」

 繭は小さい呟いた。


「ハーーー」

 智花は息を深く吐いた。ゆりは口をパクパクさせていた。


「相変わらずだね。安心したと言うか、ガッカリと言うか」

 智花はそれ以上のことはまだだと思い、やれやれと話す。


「まだ十六だから大丈夫だよ。ですよ!私なんかまだですから」

 ゆりは繭を励ます。


「え、まだなの?」

 智花はゆりの発言にびっくりし振り向く。繭はゆりの方を向く。


「ま、まだですけど、なにかー」

 ゆりは少し泣きそうになる。


「あーごめんなさい」

 智花はゆりの背中をさする。


「その反応だと智花ちゃんはやってるのね?!どこまで?!」

 繭は智花の言い方を見て反撃する。


「え、えっ、私!」

 智花は焦る。


「……」

 ゆりもジトーっと智花を見つめる。


「え、えーっと。そういえば翔くん遅いね」

 智花は話を強制的に終わらせ翔が帰ってこないと言う。加藤のことは誰も気にしなかった。


「逃げるなー」「逃がさないから」

 繭とゆりと言うのだったが

「居ないわね!」

 智花が隊長部屋を出て隊部屋を覗くが翔の姿が無かった。


「おかしいね?出てってから時間が経ちすぎてるね!」

 繭も顔を出して言う。


「てっきり外で待ってくれてると思ったのにね」

 智花は入りづらくて待ってると思ったと話す。


「遠くまで買いに行ったのでしょうか?」

 ゆりは遠くの自販機まで行ったのかな?と言う。

 自販機は独立大隊の建物の一階にある。

 特魔本部は各建物の一階に自販機があり、他には寮の出入り口、売店、食堂棟にある。


「流石にないと思うけど」

 繭はお茶が無ければジュースを買ってくると話す。


「そうだよね」

 智花も賛成するのだった。

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