隊員募集編5

 翔、加藤、繭、智花、ゆりは、伊藤班と花澤班の喧嘩の間に入った。

 翔と智花は隊長部屋に離れたが、他の三人と二班は残っていたが、伊藤五席と繭が別の件で口論し始めてしまい、加藤が止めに入ったのだった。


「まず初めに伊藤五席。志波隊員は所属ではなく補佐だぞ誤解しないように」

 加藤は繭の所属を明らかにする。

 所属のみなら平隊員と同じだが補佐は階級持ちになる。最低五席以上となっている。


「で、でも!」

 伊藤は驚き声を出す。


「志波隊員はまだ階級は保留になっているが、近々代表の権限で決まる予定だ」

 加藤は察しろと遠回しで言う。

 基本階級は経験年数、実力、実績、成績などで決まるが、代表権限で飛ぶことがある。

 最低五席の階級で代表権限を使うのであるから四席以上になると察しれる。


 そう繭は隊長補佐となっているなら伊藤より上の階級になる。しかも四席以上のため上の階級に話したことになる。今は代表が悩んでいる段階で階級が無いだけなため、階級無しではない。


「…………」

 伊藤も周囲にいた隊員全員が理解した。意見や抗議ならまだしも、暴言に口の聞き方と言うミスをした。非常にまずいと!。


 ゆりも知らなかったみなく顔色が少し悪い。

 部屋中静かになる。


「コンコン戻りました」

 智花が部屋に入り戻ったと話す。


「オホン。隊長はなんと?」

 加藤は翔は大丈夫?と聞く。


「はい。落ち着かれ、ふて寝しました」

 智花は加藤に耳打ちし繭にも同様の報告くる。


「ふー」

 加藤と繭は一安心と一息もらす。


 智花はこの状況はと周りをキョロキョロする。

「オホン。話を戻そう。まず初めに花澤五席は謝罪し伊藤班に不満があれば、異議申し立てをするように」

 加藤は花澤五席に話す。

 班や隊に不満などがあれば異議申し立て書を書き提出することになっている。直接話して平行線のため特魔本部では主流になっている。


「かしこまりました。伊藤五席申し訳なかった」

 花澤五席は返事をし伊藤に謝罪した。

 後日異議申し立てを加藤に提出した。


「次に伊藤五席。花澤五席に謝罪し志波隊員にも謝罪するように」

 加藤は伊藤に話す。


「……すいませんでした。すいませんでした」

 伊藤五席は花澤に謝り繭に謝った。


「……私からもいいですか?」

 繭は加藤に発言を求める。


「どうぞ」

 加藤は許可を出す。


「…あの、この件は隊長には秘密にしてください」

 繭は恥ずかしくなり頬を赤らめる。

 繭は伊藤に対していろいろ言い過ぎ捉え方によるが翔が好きと分かる内容もあった。特にどんだけ翔が頑張っているかや、考えているかなどの話を秘密にしてほしかった。


「なになに?どんな内容?」

 智花は気になり、ゆりにこっそり聞く。


「やめてーー!」

 繭は智花の声を聞き取り慌てて駆け寄ったのだった。

 後日繭が話した内容は翔の耳に入る事は無かった。しかし翔以外の隊員には出回っていたのだった。

 

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