四年生編1

 年月は流れ翔、繭は四年生になった。魔法訓練は何事もなく進み、翔、繭は次々と魔法を覚えて行った。

 翔は火属性以外の属性を全て無詠唱で使え火属性は詠唱をしたら使えるようになり、全属性一級まで使える。得意属性は風、木、土、水で魔力許容量も上がっている。

 繭は火、風属性が無詠唱で使え他の属性は詠唱をしたら使えるようになり、全属性二級まで伝える。得意属性は火、風で魔力許容量も上がっている。

 ロッテ、一郎もは全属性詠唱したら使えるがまだ無詠唱は習得できていない。全属性四級まで使えるロッテは水、一郎は土が得意属性。

 佐藤は火属性を無詠唱で出来てその他の属性は全属性詠唱できる。全属性三級まで使える。魔法訓練後特に話をしていなく大人しくなっている。


 入学式の日、翔と繭はなゆさんに学園まで送ってもらい、日曜日で一年生と数人の六年生のが参加するだけで翔と繭は部屋でのんびりする。翔と繭は寮の部屋に入った。

 四年生は男子は七階女子は八階の部屋に移動していて、春休み中に業者が部屋まで移動してくれている。

「そんじゃぁね」「うん」

 繭は翔に挨拶をして翔も返事をして各階の部屋に入って行った。

 

 部屋に入り翔は荷物を片付け少しのんびりしていると

「コンコン」

 と扉がノックされ繭が入って来る。

「片付いた?」

 と繭が聞いて来る。繭は以前は黒髪ショートヘアの可愛らしい幼女だったが、成長して今は黒髪ロングの女の子になっている。なぜか髪を切ろうとしない。

 

「さっき片付いたところ」

 翔は繭に荷物は片付いた事を伝える

「何をしてたの?」

 と繭は片付けた後は何をしていたか聞いてくる。

 

「本を読んでいた」

 と翔は繭に魔法の書を見せる。

「それって一級の魔法の書だよね」

 と繭は驚く。

 魔法の書は魔法の呪文や無詠唱のコツとかが書いてあり、階級ごとに本が別れていて上がるごとに値段も跳ね上がる。

 

「うんお父さんが持っていてくれたんだ」

 と翔は春休み豊が家に帰って来た時に本をくれた事を言う。

 

「いいなー翔は一級魔法使えて」

 と繭はまだ二級までしか使えず羨ましがる。

「繭は連続で使えるように魔力許容量をあげないとね」

 翔は繭に頑張るところを教える。

 

「分かってるもん。魔力許容量が増えないと連続で使えない事くらい」

 と繭は剥れる。

「魔力操作もね!」

 翔は魔力操作も大切と付け加える。

「意地悪」

 と繭は頬を膨らます。

 その後二人は沈黙し頬を赤らめ目を逸らす。

 

 資格の階級は階級の魔法が連続五回以上使えて合格な為、いくら一級二級が使えても連続で使えないと卒業の時に高い階級は貰えない。

 

 翔と繭はお互い好きだと分かったがまだ付き合うまではいっていない。小さい頃はそこまで考えがいかなかったが最近意識してしまう。

 

「入学式終わったみたいね」

 と繭が探知魔法で一階に人が集まっている事が分かり言う。

「探知魔法こまめに使うなー!」

 と翔はため息混じりに言う。

 

 翔は知らないが最近翔を暗殺しようと他国が狙っている。繭は春休みにみゆから話を聞き、こまめに探知魔法を使い、害意がある人がいればいち早く翔と逃げるように言われている。翔には内密と言われている。

 みゆは香月からその事を聞き繭に話した。香月は豊と一緒に特魔代表として情報を持っていて、日本は翔の事を良い魔法師に育てて日本の役に立ってもらおうとしているが、一部の海外は翔を危険視していて始末に動いていると掴んでいた。

 

 豊は、なぜ日本が翔の情報を隠しているのに情報が漏れたかは分かっていない。翔は今現在で一級魔法五回以上使え一級の資格があるが、翔に実力を隠すように言い、まだ数回しか使えないと日本が情報操作していたはずだと不思議に思っていた。

 

 探知魔法は自分にの害意や場所の人数がわかる、四級の指定魔法で資格のテストに合格しないと教えてもらえない。

 

 今現在翔、繭、佐藤は四級の魔法資格に合格していて三人は学園在学の四級魔法師と登録されている。

 学園には階級持ちの魔法師の学生が他にも在学している。

 資格は年齢や時期など関係なく受けれ高校卒業までに資格の階級が決定する。

 

 魔力、魔力許容量は十五歳までが成長時期とされていて成長速度は人それぞれなのだ。魔力とは一回で使用できる魔法量でこれは六歳の魔法検査でわかり変動は無い。いかに効率よく魔法を発動できるかと魔法許容量を伸ばし連続で使えるかで魔法師の強さが決まる。

 

 「練習だよ!」

 と繭は翔に悟られないように言う。

「ふーん」

 翔は繭が何か隠してる事に薄々気づくが理由が分からないし繭が言わないって事は言いたくない事だと思い聞かなかった。

 

 夕食になり放送が流れて翔と繭は高学年の時間に食堂に入って行く。

「おーいこっち」

 と翔と繭は食堂で食事を持って席に向かうと智花が手を振り呼びかけて来た。

 

「久しぶりです!」

 と翔と繭は智花とロッテが座っている席に座り、一緒に食事をとる。

 

「ねー翔って属性いっぱい使えるんだね!」

 と智花が食事中に話しかけて来た。

「使えはしますけど火属性は難しいですね!」

 と翔は火属性が苦手な事を言う。

 

「翔君の苦手は苦手に入らないよー」

 とロッテが翔は全属性を使えて無詠唱で火属性以外を使えることに抗議する。

 

「私なんか水属性だけだよ」

 とロッテが頬を膨らまして言う。

 

「一級も撃てるんでしょ?」

 と智花が聞いて来る。

「何で知っているんですか?」

 と翔は智花に聞く。翔が強い魔法を使えるのはテストの時しか使わず周りには先生だけの時になっている。

 高ランクの魔法を使う時は周りには誰もいない部屋に入り隔離空間の魔道具で行っている。

 

「お父さんが口滑って話してたよ!ごめんね!」

 と智花が小声で言う。

 智花の父は昴先生で一年生からのクラス担任でクラスは全員変わっていない。本来生徒の情報は漏洩禁止で家族にも話してはいけなかった。

 

「そう言う時は聞かなかった事にするんでますよ」

 と翔は智花に言い肩を落とす。

 

「ここだけの話にしてね」

 と繭が智花に言いロッテにも他言しない事を伝える。もし広がったら昴先生は罰を受けてしまう。翔が高ランクの魔法を使えるのは一部の先生しか知らなく、先生にも国から口外しないようにキツく言われている。

 

 特に一級魔法は翔は佐藤が暴走した時と隔離空間でしか使っていなくて周りには先生しかいなかった。

 ロッテ、一郎には繭と同じ二級、他のクラスメイトも翔は三級魔法が使えると伝えてあった。

「はーい」「うん分かった」

 智花とロッテは返事をしたが智花は緩い。

 

「本当に口外禁止だからね。もししたら昴先生の首が飛ぶと思うよ!」

 と繭が智花に釘を刺す。

 

「はい!」

 と智花が敬礼をする。ロッテはゴクンと唾を飲み込んだ。

 

 食事が食べ終わり智花とロッテが部屋に戻り、翔と繭は翔の部屋に戻って行った。翔と繭が部屋に戻る途中周りの視線が睨んでいる感じで翔は繭の手を繋ぎ急いで部屋に入る。

「繭、もう部屋に来ない方がいいと思う」

 と翔が言い

「うーーん」

 と繭は悩んでいる声で答える。

 

 流石に高学年になると周りが翔と繭の関係に気づき何人か視線に悪意を込めていた。翔と繭は流石に気づき去年は気にならなかたった事を思いだす。

「三年生は問題無かったよ」

 と繭が言う。

「うんそうだよね?」

 と翔も思い出し返事をする。

 

「何で四年生になってから途端に」

 と繭が言い剥れる。

「それは」

 と翔が詰まり繭に部屋に戻るように言い階段まで送るのだった。

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