登校初日編2
朝、目が覚め時間を見ると六時半だった。
翔は起き上がりパジャマから制服に着替え、洗面台に行き歯磨きと顔を洗う。
「ピッガチャ」
と扉の鍵が空き扉が開く。
「おはようございます」
繭が制服姿で入って来た。
「おはよう」
翔が洗面台から出て挨拶をすると
「やっぱり起きていた」
と繭が小声で言い少しがっかりする。
「流石にもう一人で起きれるよ」
翔が少し頬を膨らます。
「私の仕事が」
繭がメイドの仕事が出来なかったことに、残念がる。
「学園ではメイドの仕事は休みって話だよね?」
翔は学園内では繭はメイド見習いの仕事は休みで、翔も繭も自分で朝の準備などをすることになっている。
「そうですけど」
繭はボソッと言いメイドの仕事は建前で寝顔を見たい思いで毎朝お越しに来ていた。最近は翔は自分で起きるし自分で着替えるようになり少し不服なのだった。
七時十分前放送が流れ朝ご飯は七時から八時までに食べ低学年高学年一緒との事。
二人して食堂に向かうと長蛇の列ができていた。
「朝は夕食より混むのね」
繭は列を見てびっくりしている。
「夕方は時間ズラしてゆっくり食べれるようにしてるみたいだね。朝は仕方ないね!」
翔は落ち着いて列の最後尾に並び繭も続く。
「席は空いてるかしら?」
繭が心配に聞いてくる。
「どうだろうね?」
翔も心配には、なっているが大丈夫でしょと思っている。
「朝はパンかご飯選べて後は味噌汁と一品だから早く空くのよ」
後ろから二人の疑問を答えてくれる。
振り返ると智花ともう一人銀髪のロングの女の子がいた。
「おはよう翔君繭ちゃん」「おはようございます」
智花と銀髪の女の子が挨拶をしてくる。
「おはようございます」「おはようございます」
二人は挨拶をして
「朝はいつもこんな感じなんですか?」
と翔は智花に食堂の混み具合を聞く。
「そうよ朝はどうしても時間がないからみんな一緒にご飯を食べるの、夕ご飯は余裕があるから時間を分けて低学年はゆっくり食べてもいいようになってるの高学年は三十分しか無いけどね」
と智花が笑い説明してくれる。
話しているうちに列は流れ、トレーを取りご飯、味噌汁、スクランブルエッグ、ヤクルトを取り空いている席を探す。
「こっち空いてるよ」
智花が六人席一つ空いたところに動き声をかけてくれる。翔と繭は智花のところまで行きお礼を言い座る。
翔、繭、智花、銀髪の女の子が座り、翔の隣に繭、翔の向かいに智花、智花の隣に銀髪の女の子と座り朝ご飯を食べる。
「紹介するねこの子はシャルロッテフィールド、私の従姉妹で今日初日なの」
と智花が紹介してくれる。
「今日初日ってことは昨日は来れなかったんですか?」
翔が聞くと
「そうなの昨日正門でテロあったでしょ?一昨日は空港で会ってロッテが一日遅れて登校になってまったの!着いたのは昨日の夜ご飯前の時よ」
と智花が説明してくれる。
「空港もテロがあったの!」
繭が驚き聞き直すと
「そうなの日本ではなくてロッテの国でね。嫌になるね!」
智花が手を横にして首を振る。
「シャルロッテさんは外国からの入学生ってことですか?」
と疑問に思った事を翔は聞く。小学生低学年は留学生が来る年齢ではなく、見るからに低学年に見えるシャルロッテフィールドだった。
「留学生ではなく普通の新入生よ。ロッテの父が外国の特魔同盟代表で母は日本人で国籍はまだ日本なのよだからロッテもまだ日本人なの!」
と智花が説明する。
翔と繭は分かったような、分からなかったような顔をする。
「安心して私も半分くらいしかわからなかったから」
と笑う。
「シャルロッテフィールドです。ロッテって呼んでください」
銀髪ロングの女の子が緊張した顔で挨拶をして笑う。
「かっ可愛い」
繭が思わず口に出し手を口に押さえる。
「可愛いでしょ私の自慢の従姉妹よ」
と智花も絶賛し、ロッテは恥ずかしくうつ向く。
「シャルロッテフィールド…」「確か昨日昴先生が欠席者の名前を言ってたような」
翔が昨日昴先生がクラス全員の名前を言い、生徒は元気よく返事をして手を挙げた事を思い出す。
最後の生徒にシャルロッテフィールドって言ってたような
「お父さんが担任なんだ。ロッテも翔君達と同じクラスなんだ」
と智花が嬉しそうに言う。
「やっぱりお父さんだったんだね。姓が同じだったからもしかしてと思ったよ!」
翔はみゆさんから聞いた事を伏せて話す。
「お父さんだよ。でも先生って呼ばないといけない見たいだから内緒ね!」
智花が人差し指を口に近づけてシってやっている。
皆が食べ終わり、各部屋に戻っていく。
学園が始まるのは八時四十分からで、ホームルームが始まる。一時間目は九時からで五十分授業、十分移動や休憩があり、十二時から給食がある。午前三時間目まであり午後は一時半から三時半まである。午後は魔力訓練や魔法の練習になる。
八時半になり、繭が部屋まで呼びに来て二人で登校する。登校と言っても各寮から教室のある本館までは、魔道具の転送陣があるので広くても移動には困らない。
本館の転送陣の部屋から教室まで移動して
「おはようございます」
と翔と繭は一緒に挨拶し教室に入っていく。
中にはロッテ、佐藤、鈴木の他数人がすでにいる。
翔と繭は自分の席に移動してカバンを起き、翔は席に座る。繭はこっちに歩いてくる。
「今日は席替えあるって言ってたわね?楽しみだね!」
繭は楽しみな顔で話しかけてくる。
「席替えあるね。近くの席になるといいね!」
翔は繭に言い繭は笑顔になる。
翔の席は左から四列目の一番後ろで、繭は左から二列目の二番目の席だった。横六列縦六列で四人一組で計九班作られ、魔力訓練や魔法訓練のグループになると昨日教えてもらった。
繭と雑談をしてると八時四十分のチャイムが鳴り、繭は席に戻り昴先生が教室に入ってくる。
「皆さんおはようございますホームルームをはじめます」
と昴先生が挨拶して、ホームルームとはと説明をしていく。出席を取り生徒は元気よく返事をする。シャルロッテフィールドが初なので今日席替えをすることと、グループ作りについて改めて説明する。
一時間目十分前のチャイムがなり休憩時間になる。
一時間は学活と言うクラスの決め事や席替えなどをする時間になる。休憩中は何人かは仲良くなり大半は席で緊張してじっとしていた。繭はロッテの方に行き話をしていて、たまに翔の方をちょくちょく見ていて翔と目が合ったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます