第6話 遺伝子操作
ここは天文部部室内、美咲先生が全員に集まるように指示をされ。
「そろそろ指定された時間になりますね。宇宙船に出発する皆さん、準備はできていますか?出発したら、戻ってくる時には見た目も変わってしまうため、この体で戻ることはできません。そこで、出発する前に持ち物の確認をしていただけますか?」
それに南部長は代表して。
「はい、全員の髪の毛採取した密閉容器と、希望のスタイル画像も持っていることを確認しました」
先生以下四人は、部のメンバーと名残を惜しんでいたところ、階段の上に半透明の渦を巻いた空間が現れました。
「それでは行ってきます、皆さん元気でね」
先生が別れの挨拶をすると、出発メンバーも涙を流し、名残惜しそうに手を振りながらゲートに消えていきました。
*****
部室内ではみんな静かに待機していましたが、小一時間くらいたったころ、再び階段の上にゲートが開き、五名の女性の姿が現れました。彼女達は無事に戻ってきたことを確認できたことで、待っていた部員たちは、ほっと胸をなでおろしました。
戻ってきたクローンの先生たちの見た目を紹介します。
美咲彩羽先生の見た目。
年齢22歳
顔:少し面長な小顔
目:黒
髪型:伸ばしかけの大人ボブ
カラー:バイオレットアッシュ
身長165/脚長85
B95/UB65/W48/H88
先生の希望した身長でだいぶ顔もほっそりとした小顔で足も長くなったみたいです。
南彩月部長の見た目。
年齢は17歳
顔:少し面長な小顔
目:黒
髪型:ストレートロング
カラー:黒
身長168/脚長80
B90/UB65/W45/H85
部長は少し小顔になり胸は大きく、ウエストは細く、足は少し長くなったみたい。
本田輝夜さんの見た目。
年齢は12歳
顔:幼さが残る美少女顔
目:黒
髪型:腰まであるさらさらストレートロング
カラー:黒
身長160/脚長75
B90/UB65/W45/H85
本田さんはもともとスタイル良かったけれど、胸は一段と大きくなりウエスタは細くなりました、髪も一段と長くなったみたい。
松林月愛さんの見た目。
年齢は12歳
顔:少し面長な小顔
目:黒
髪型:セミロング/前髪パッツン
カラー:黒
身長163/脚長77
B85/UB67/W48/H85
松林さんは一番見た目が変わっていないかな、でも小顔になり少し胸が大きくなったみたい。
星乃哉太さんの見た目。
年齢は12歳
顔:少しふっくらとした美少女
目:黒
髪型:前髪は耳横で三つ編みロング、後ろ髪は腰まであるさらさらストレートロング
カラー:黒
身長175/脚長87
B95/UB67/W48/H85
星乃さんは完全に女性の体形。ウエストはもともと細かったけれど、胸は先生と同じくらい大きい!足も長くなりました。
美咲先生が「見た目変わったけれど、記憶はあるので、これから部活動を再開します。後、始祖さんから今晩寝たらみんなの記憶から、先日の夢以降の記憶が消されるそうです。そして私たちの見た目情報のみ上書きして混乱が起きないようにするとのことでした」
それからみんな夕食を取り、早めに宿泊室で睡眠をとりました。
******
ここで、いったん地球の『私立瀬戸美学園』天文部とはお別れになります。
これからは、エルフィン星人の【フェアリー・ドーン】号船内でのお話になります。
*****
ゲートに入った瞬間、上下の方向が分からず、少しめまいを感じましたが、ゲートを抜ける頃には症状が落ち着きました。ゲートを抜けると、夢で見た時とは異なり、室内が非常に広く感じられ、操作パネルや端末などが見当たりませんでした。広い部屋の中央には、広々としたテーブルととても柔らかそうで快適な座り心地の良さそうな椅子が約二十脚置かれていました。
そのテーブルの対面の真ん中に、夢で見た始祖さんが立っていたため、私たちはテーブルの近くに移動し、美咲先生が代表として挨拶をされました。
「現実の世界でお会いするのは初めてですが、準備は整っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします」
それに始祖さんは答えて。
「改まる必要はありません。 どうぞリラックスしてお過ごしください」
始祖さんに、密閉容器に入った私たちの髪の毛と、希望するスタイルの画像を手渡しました。
「では、皆さんのクローンを作成するために、生命体管理研究室に向かいましょう。」
始祖さんは私たちの先頭に立ち、部屋から壁に向かって進みました。 すると、何もなかったはずの壁が透明になり、その先に通路が現れました。
しばらくまっすぐ通路を進んだ突き当たりにで、始祖さんは右側の壁に手をかざしました。 すると、先ほどと同じように壁が透明になり、様々な器具が置かれた部屋が現れました。
始祖さんはその部屋に入り、続いて私たちも入ると後ろの壁は白い壁に戻りました。
始祖さんが。
「正面にある透明なテーブル型のカプセルの中に、構築された生命体が現れます。」
「右にある透明なテーブル型のカプセルの中に、元の生命体を入れます」
「クローン作製の際には、右側にある透明なテーブル型のカプセルは使用しません」
「テーブルの上にある遺伝子解析装置に、試料を入れて処理を実行すると、その解析結果が立体的にテーブルの上に表示されます」
「お預かりした画像データを、遺伝子解析装置の隣にある画像解析装置に入力し、遺伝子情報修正処理を行うと、その結果を立体画像に反映することができます」
「立体画像を見て微調整が必要な場合は、お知らせください。修正を行い、再度立体画像を反映いたします」
「それでは、美咲様より実施いたします」
美咲先生の髪の毛を遺伝子解析装置にセットし、すぐに立体画像がテーブルの上に表示されました。
始祖さんが。「服を着ていない画像データはお持ちですか?体の体形の詳細がわかりません」
と、たずねられたので、みんな「申し訳ありませんが、私たちは服を着ていない画像データをお持ちしておりません。 そのため、詳細な体形についてはお伝えできかねます。 現在の画像データで修正を進めていただけますでしょうか」と答えました。
始祖さんは。
「了解いたしました。では、立体画像を見ながら体型を調整いたしましょう」
南部長が。
「あの~立体画像は服を着ていない状態で表示されるのでしょうか?少し恥ずかしいのですが」と素朴な疑問を始祖さんにいたしました。
始祖さんは、少し首をかしげながら。
「恥ずかしい?とはどのような感情でしょうか?遺伝子情報に衣服は含まれないので、立体画像に衣服を表示できません」
南部長は理解したようでしたが、私『星乃』をちらちら見ながら、若干恥じらいのような表情を見せていました。
始祖さんは美咲先生に対して、「できる限り画像データを再現してみましたが、修正が必要な箇所はございますか?」と尋ねられました。
美咲先生は、「もう少し身長を高く【百六十五センチ】に、脚の長さを【八十五センチ】で、膝までの対比を一対二でお願いします。胸ももう少し大きく【九十五センチ】張りのある・・・あ、そんな感じでお願いします」
始祖さんは、美咲先生の希望を聞きながら、遺伝子情報を調整してくださいました。
「遺伝子に少し異常があるので、修正しておきます。身体能力に関する情報も少しですがあげておきます」
美咲先生はびっくりして、「遺伝子情報に異常って、どういった問題があるのですか?身体能力関連あげるとどういった影響がありますか?」
始祖さんは、「将来的に遺伝子が関係する病気になる可能性があるということです。遺伝子情報を正常な状態に戻すようにいたします。体の筋肉が落ちにくくなり、計算能力、記憶能力、判断力が若干ですがよくなります」
「遺伝子情報修正終了したので、実体化工程に移ります。併せて記憶情報の書き込みも開始します。地球で必要な情報を記憶領域に追加で書き込みします」
美咲先生はまたびっくりして、「追加情報ってどういったことでしょうか?」
始祖さんは答えて、「脳の記憶領域がいっぱい空いているので地球で必要な情報を書き込んでおきます、ただ情報として入れてあるだけなので、そのままでは使うことができません。いわば引き出しに入れてあるだけです。今後地球でその情報に関する事を見聞きすると、引き出しが開いて記憶情報として活用することができるようになります。わかりやすく言えば一度聞けば忘れないということです。この処置は、他の皆さんにも行いますので、地球でも少し助かると思います」
この事には一同びっくりしました。
しばらくすると、美咲先生のクローンが起き上がりました。
先生は見た目にとても満足していましたが、突然クローンが美咲先生に、「あら?私がいると話し始めました」・・しばらくすると「あ・・そうか、私クローンなのね?」
始祖さんは、「覚醒して間もないのでしばらく混乱してますがすぐに落ち着きます。美咲さんは二十二歳なのでクローンは七十二歳までの寿命となります」
と、説明していただけました。
始祖さんは引き続いて南さんの作成に移ります。
南部長は、立体画像を見ながら、「もう少し身長を高く【百六十八センチ】に、脚の長さを【八十センチ】で、膝までの対比を一対二でお願いします。胸ももう少し大きく【九十センチ】張りのある、ウエストを細く【四十五センチ】・・・あ、そんな感じでお願いします」
始祖さんは、南部長の希望を聞きながら、遺伝子情報を調整してくださいました。
しばらくすると、南部長のクローンが起き上がりました。
部長は見た目にとても満足していましたが、やはり部長のクローンも美咲先生のクローンと同様に混乱していました。
始祖さんは、「南さんは十七歳なのでクローンは六十七歳までの寿命となります」
と、説明していただけました。
始祖さんは引き続いて本田さんの作成に移ります。
本田さんは、立体画像を見ながら、「もう少し身長を高く【百六十センチ】に、脚の長さを【七十五センチ】で、膝までの対比を一対二でお願いします。胸ももう少し大きく【九十センチ】張りのある、ウエストを細く【四十五センチ】・・・あ、そんな感じでお願いします」
始祖さんは、本田さんの希望を聞きながら、遺伝子情報を調整してくださいました。
しばらくすると、本田さんのクローンが起き上がりました。
本田さんは見た目にとても満足していましたが、やはり本田さんのクローンも混乱していました。
始祖さんは、「本田さんは十二歳なのでクローンは六十二歳までの寿命となります」
と、説明していただけました。
始祖さんは引き続いて松林さんの作成に移ります。
松林さんは、立体画像を見ながら、「もう少し身長を高く【百六十三センチ】に、脚の長さを【七十七センチ】で、膝までの対比を一対二でお願いします。胸ももう少し大きく【八十五センチ】張りのある、ウエストを細く【四十八センチ】・・・あ、そんな感じでお願いします」
始祖さんは、松林さんの希望を聞きながら、遺伝子情報を調整してくださいました。
しばらくすると、松林さんのクローンが起き上がりました。
松林さんは見た目にとても満足していましたが、やはり松林さんのクローンも混乱していました。
始祖さんは、「松林さんは十二歳なのでクローンは六十二歳までの寿命となります」
と、説明していただけました。
始祖さんは引き続いて星乃さんの作成に移ります。
星乃さんは、立体画像を見ながら、「もう少し脚足の長さを【八十七センチ】で、膝までの対比を一対二でお願いします。胸ももう少し大きく【九十五センチ】張りのある、アンダーバストを【六十七センチ】ヒップを【八十五センチ】・・・あ、そんな感じでお願いします」
始祖さんは、星乃さんの希望を聞きながら、遺伝子情報を調整してくださいました。
しばらくすると、星乃さんのクローンが起き上がりました。
星乃さんは見た目にとても満足していましたが、やはり星乃さんのクローンも混乱していました。
始祖さんは、「星乃さんは十二歳なのでクローンは六十二歳までの寿命となります」
と、説明していただけました。
それでは服を生成します、皆さんの画像データの服でいいですか?
美咲先生は『薄いピンクのカーディガンにエナメル黒で膝までのフレアスカート』
南部長は『独立したロンバースの白のセーラー服襟のラインはブルー三本、スカートはブルーのプリーツスカート』
本田、松林、星乃三名は『独立したロンバースの白のセーラー服襟のラインはピンク二本、スカートはピンクのプリーツスカート』
先生は、「はい、それでお願いします」と、答えました。
始祖さんは、すぐに、衣装生成装置に取り掛かり全員の衣装を作成して、クローンに渡しました。
*****
一時間くらいでクローンの状態も落ち着いたので、始祖さんはゲートを開きクローン五体を地球に送りました。
*****
始祖さんは、「それでは、エルフィン星念願の男性種の作成を手掛けます」
私『星乃哉太』は、「始祖さん、これほど進化した遺伝子操作ができるのなら、始祖さんの遺伝子でクローンを作成すればよいのではありませんか?」
始祖さんは答えて、「確かに、体はクローン可能ですが、精神生命体の作成に関しては、現在の私たちの技術では不可能です。精神は物質的【遺伝子】な形で存在するものではなく、神秘的で複雑なものであり、私たちの科学技術では理解し切れていない部分があります」
「なるほど」と私『星乃』は答えいました。
始祖さんより、今回の遺伝子結合の詳細を説明していただきました。
「まず星乃さんの記憶情報を一度バックアップいたします。そして、衣服を付けない状態で右のテーブル型のカプセルの中に寝ていただきます。Elf19の血液を、遺伝子解析装置に設置します。これはより正確な遺伝子情報を得る為です。遺伝子解析が終了後、一度遺伝子結合プログラムを実行し立体画像でテーブルの上に表示させます。お互いの遺伝子情報で重複している場合にはより優れているほうを使用し、その他は両方を使用します。結果的に遺伝子情報がエルフィン星人より多くなります。それでは星乃さん右のカプセルにお入りください」
私『星乃』はやっぱり不安で、これでこの体ともお別れなんだな~。クローンを見た時にはその技術力と完成度には驚き、安心もしたけれど。それでも一抹の不安をぬぐい切れませんでした。
それでも、いつまでもくよくよしていても仕方がないし、後に控えている四人の女性たちが私の言い出したことについてきてくれたことを思うと、自分自身を奮い立たせる必要があると感じました。そこで、心に決め、服を脱いでカプセルに移動することにしました。
始祖さんが、「一度データを取得し、それを結合情報をもとに立体映像化します。もし修正箇所があれば、ここで修正することが可能です。ご希望でしたら、この時点をご覧になってから修正したい箇所があれば、できる限り修正いたします」
私はうなずき少しうれし涙を流しました。
*****
始祖さんはElf19の血液を遺伝子解析装置に設置し、解析装置を起動しました。
解析装置から音声メッセージが流れてきました。
「星乃さんゲノム解析終了・・・問題点修正可能レベル・・・・Elf19の血液ゲノム解析終了・・・問題点なし・・・遺伝子結合可能・・・・成功率80%・・・結合問題点解析開始・・・終了・・・修正後成功率99%・・・・結合遺伝子情報展開立体映像化いたします」
立体映像がテーブルの上に表示されました。
立体映像ができたので、私『星乃』は一度カプセルから出て確認することにしました。
耳は、少しとがっている。
顔は、少しふっくらとした小顔の美少女
目は、エメラルドグリーン
髪型は、前髪は耳横で三つ編みロング、後ろ髪は膝まであるさらさらストレートロング
カラーは、プラチナベージュ
身長175/脚長95
B99/UB65/W45/H90
うわ~めちゃくちゃ美人でスタイルがすごいことになってる。・・・あれ、男性のはずだよね・・・見当たらないけれど。「始祖さんこれ男性種失敗ですか?」
始祖さんは、データを見ながら、「いえ、成功ですよ。生殖器の形が地球人と異なってますが、男性種であることに間違いありません、何か修正箇所ありますか?」
私はこれでも十分だけれど「少し身長を伸ばせますか?あと、胸ももう少し大きくできますか?」
始祖さんは、「では、身長あと五センチ、胸はアンダーを少し小さくして相対的に大きくします、身長が伸びたので足も五センチ伸びます。修正後の画像に変更します」
・・・・結果サイズは
身長180/脚長100
B99/UB60/W45/H90
私は満足したので、再度カプセルに移動しました。
*****
それでは、結合開始いたします。
右のカプセル内に少し靄がかかって星乃さんの体が消えていきました。カプセルから、「肉体の分解完了いたしました・・・分解した組織を遺伝子解析装置に送ります」
遺伝子解析装置が答えて、「了解しました。・・・正常に受け取りました・・・遺伝子再構築・・・完了しました・・・分解組織に結合遺伝子組み込み開始・・・終了しました・・・新たな生命体構築プログラム起動・・・遺伝子組み込み組織とプログラムを構築生命体カプセルに転送します」
正面のカプセルが答えて、「遺伝子組み込み組織と生命体構築プログラム受信完了・・・生命体構築開始します・・・骨格構築完了・・・内臓組織構築完了・・・脳組織構築完了・・・筋肉構築完了・・・皮膚組織完了・・・生命構築完了・・・体組織正常に起動・・・生命維持活動正常に起動・・・マザーコンピュータ【ガルバニック・ブレイン 】につぐ。Elf19の精神生命体に星乃哉太の記憶をコピーし覚醒及び、現在の遺伝子情報を送るので精神生命体の遺伝子情報書き換えを依頼」
「【ガルバニック・ブレイン 】了解した・・・Elf19の精神生命体覚醒開始・・・覚醒完了・・・記憶のコピー開始・・・完了・・・始祖の権限譲渡手続き開始・・・完了・・・これにて始祖が権限委託宣言することで自動的に引き継がれます・・・精神生命体の遺伝子情報記憶内容を新しい遺伝子情報に書き換え開始・・・完了・・・正常性確認プログラム起動・・・問題ないことを確認・・・構築生命体カプセルに次ぐ・・・精神生命体を転送するので生命体との結合プロセス開始すること」
真ん中のカプセルが答えて、「精神生命体正常に受け取りました・・・生命体結合処理開始・・・終了しました・・・精神生命体が正常に結合されたこと確認・・・終了しました・・・これより覚醒いたします・・・・覚醒完了しました・・・全プロセス終了」
*****
しばらくして、真ん中のカプセル内でピクリと動く気配がしたら、カプセルが開き中からとてもきれいな新しい生命体が誕生しました。
彼は、「私は『星乃哉太』と『Elf19』」の結合種 これからは 『リリエル』とお呼びください」と、鈴が鳴るような声で語りかけてきました。
始祖さんが、「衣装のデザインは地球の学生服を参考にし、素材にはエルフィン星のものを使用します。伸縮性があり、気温の変化にも対応できるため、とても着心地が良くなると思います」
出来上がった衣装を『リリエル』が着用して一人目の遺伝子結合が終了しました。
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