第5話 遭遇
うすい靄の中、話し声が聞こえてきました。
「きゃー、マジなの!めっちゃ本当なの!」 「これって夢の中だよね?」「みんないる?こっちに来てくれる?」
私は、周りを見回していると、皆が若い女性同士の普段の会話をしているような話し方をしていると感じました。
「その理由は、普段は頭の中で考えて、その場に相応しい言葉遣いをするようにしているからです。つまり、夢の中ではありのままの言葉になり、現実の社会ではそのまま言葉を選んで話すように言っているということです」
目の前に、先日お会いしたエルフィン星人さんが現れて、詳しく説明してくださいました。
『美咲彩羽<みさき いろは>』先生が、みんなに「こっちに来てくれる?みんないる?」 みんなが先生の周りに集まってきました。
『南彩月<みなみ さつき>』部長が、確認して、先生に「みんなに集まってもらったよ!」と報告されました。
『美咲』先生は、「『星乃』くん、みんな集まったみたいだから、異星人さん紹介してくれる?」
私は、「ここにいる異星人さんは、エルフィン星人っていうんだって!中には知ってる人もいるかもしれないけどね。北欧の民話に登場するエルフみたいな姿の異星人です」
「エルフィン星人さんって見た目は女子みたいだけど、実は男性なんだって!見た目じゃ女子か男子わからないんだって!」
「エルフィン星人さん、約束通りみんな集まってくれたよ!どのように協力すればいいのか説明してもらえる?」
*****
エルフィン星人さんは「まず、私のことはこれから『始祖さん』とお呼びいただけますでしょうか?」
みんな、うなづきました。
ここから始祖さんは、エルフィン星人たちがなぜ滅亡の危機に瀕したのかを映像を交えながら詳しく説明してくれました。
「私と妻は、エルフィン星の科学者で、この宇宙船と中枢のコンピュータを開発しました。新しい技術を確認するために外宇宙に出ていたところ、幸いに難を逃れることができました。」
「作業が無事終了し、母星に帰る途中で、母星から八体の精神生命体が転送されてきました。私は、エルフィン星で異変が起こったと感じ、転送されてきた精神生命体の記憶情報を確認したところ、ゴブリン星人に侵略され、八体の精神生命体を除いて滅亡したことがわかりました」
「ゴブリン星の科学力はエルフィン星よりも劣っていたのですが、彼らの繁殖方法は驚異的でした。彼らは、エルフィン星の女性種に種子を植え付け、その種子が母体を栄養源にして成長し、生まれるという方法をとっています。もう一つの方法は、戦闘で死亡した彼らの死体から胞子が発生し、空気中に漂います。その胞子を吸い込むことで、まず精神生命体を侵します。そして、最終的には体全体を乗っ取ってしまいます。その場合、乗っ取られた体には見た目だけでなく、記憶や知識も取り込むため、驚異的な科学力を獲得することになります」
「このため、当初は有利に戦っていたエルフィン星人も、相手の繁殖方法を理解した時には、すでに多くの人がゴブリン化してしまい、内部での闘争や混乱が生じ、徐々に滅亡してしまいました」
「送られてきた精神生命体は、研究所内で空気感染の危険を回避し生き残った若い女性研究者たちでした。 同時に、研究所は情報拡散を恐れて消滅されました」
「私たちは、危険を察知し、私の問いかけに答えてくれる生命体を求めて、四百五十年間も宇宙を旅してきました。そして、ついに地球での接触が成立したのです。すでに私の妻は五百歳の寿命を迎えて亡くなりました。私も残りわずかな時間しかない状況でございます。どうか私たちにご協力をいただけますようお願い申し上げます。あなた方のサポートが、私たちにとって非常に大きな助けとなることでしょう。協力いただければ、私はあなた方の未来を支援するため、全力を尽くします。」
*****
エルフィン星人は、現状を報告し、引き続き協力方法について説明し始めました。
「協力方法として、私たちの遺伝子とあなた方の遺伝子を結合し、まったく新しい生命を誕生させることです。」
「第一の方法・・地球人の細胞にエルフィン星人の遺伝子を結合させ、新たな生命を誕生させることになります。
この方法は、新たな生命体は、地球人の見た目に近づくことは可能ですが、肉体年齢は本体の年齢になるということになります。
ただし、エルフィン星人の遺伝子を結合させているため、細胞の老化速度は地球人の約二十分の一となります。
エルフィン星人の精神生命体に、地球人の記憶をコピーし、精神生命体内にある遺伝子情報を新たな生命体の情報に書き換えることで、肉体と生命体を結合する方法です」
「第二の方法・・エルフィン星人の細胞に地球人の遺伝子を結合させ、新たな生命体を誕生させることになります。
この方法は、新たな生命体は、エルフィン星人の見た目に近づくことになります。肉体年齢はエルフィン星人の肉体年齢になります。 生命体の対応方法は第一の方法と同じになります」
「第三の方法・・エルフィン星人の遺伝子と地球人の遺伝子を結合させ、新たな生命を誕生させるものです。 具体的には、エルフィン星人の遺伝子と地球人の遺伝子を組み合わせ、その結果として新しい遺伝子を生み出しますこれにより、エルフィン星と地球人の遺伝子が融合した独自の特徴を持った生命体が誕生することになります。
この方法により、新たな生命体が創造される際には、通常卵から孵化させることになります。そして、この方法によって創造される新しい生命体は、エルフィン星人の遺伝子と地球人の遺伝子が融合します。精神生命体も新しい生命体として誕生します。
両方とも女性の場合、誕生する子供の性別は女性である可能性が非常に高くなります。 新たに生まれた精神生命体に、エルフィン星人と、地球人の記憶のみコピーいたします」
*****
説明がひと段落したので私『星乃哉太』から、数点質問をいたしました。
「これって、地球でもできるかな? 第一の方法だと、私たちの体が消えちゃうんじゃないの? 誰でもこの三つの方法から選択することができるの? 地球の未来に貢献するって、具体的に説明してよ」
始祖さんは、以下のように答えてくれました。
「記憶は、この夢の中でも収集可能です。 第一の方法では、宇宙船まで来ていただく必要がございますが、第二、第三の方法の方は、どなたか代表でこの宇宙船に、お持ちいただければ来ていただく必要はございません。
第一の方法では、地球人の身体が消え失せます。救済措置として、遺伝子からクローンを作成し、記憶を残すことで対応します。問題点は、クローンの寿命が五十年であること。メリットは細胞の劣化がほとんどないということです。
男性種『星乃哉太』以外の方はどの案からでも選択可能です。 男性種のみ第一の方法しか選択できません。
具体的な貢献方法は、近い将来必ずゴブリン星人は地球に攻めてきます。その対策として『星乃哉太』さんにこの宇宙船と、マザーコンピュータを譲渡します。 あと、エルフィン星から脱出してきた八体の精神生命体の扱いもお任せします。 この技術力と、私たちの知識をもって地球を防衛する方法を見つけて対応してください」
*****
『星乃哉太』は「了解ー!協力するね〜!」とあっさり答えると。
美咲先生と、南部長は慌てて、「んなあっさり決めるなんて、ダメダメだよぉ〜。」と注意されました。
わたしは、「遺伝子情報と記憶のコピーだけ渡せばOKなんだって〜! 宇宙船移動も私が代表して行って、髪の毛とか持っていっちゃったらイイじゃん!」
美咲先生は「でも、『星乃』ちゃん、戻ってこれなくなっちゃうよ?家族も心配するし、クローンでも五十歳までしか生きられないからね。もうちょっとゆっくり考えようよ〜」
わたしは、「地球も同じことが起こる可能性があるんだよね〜。今の地球の科学力じゃ、絶対ムリだよね〜。それだったら、今のチャンスにかけてみたい気持ちあるよね〜!」
『美咲』先生と、『南』部長は、少しため息をつきながら「わかった!私も体、提供するね〜!あなただけに責任を負わせたりしないって、わかってるでしょ〜。」
そして、『本田』さんと、『月愛』が「私たちだって、体、提供するからね〜!私たちも『星乃』ちゃんと同じ考えだよね〜!」
私は「ありがとう、これで私も寂しくなくなったよ!」
始祖さんは「了解しました。第一の方法は五名ですね。安心してください、クローンは現在のあなたたちと全く同じにできます。希望があれば微調整することも可能ですよ」
私は「クローンの見た目、女の子っぽくしてほしいな〜!」
始祖さんは「それは性別も変えるのですか?」
「性別はそのままで、体つきだけ女の子っぽくしてほしいんだけど!」
始祖さんは「了解しました。 宇宙船にお越しの際には、理想の画像をお持ちいただき、あなたに面識のある方の記憶を新しい見た目に書き換えましょう」
始祖さんは「その他の方についてはいかがいたしましょうか?新しい見た目について個別の希望がある場合は、それに合わせて調整することができます」
『美咲』先生が、「それなら、身長百六十五センチにしてくれる〜?」
『南』部長は「私、胸を大きくて欲しいな〜!」
『本田』さんは「足をもっと長くしてほしいな~」
『月愛』は、「顔をもうちょっと綺麗に、足長く、胸大きくなるといいな〜!」
結局みんななんだと私が思っていると。
始祖さんが「『星乃』さんと同様に画像を用意していただけると助かります。
それでは、第二の方法希望者と、第三の方法希望者はいらっしゃいますか?」
と、おしゃっられたので、以下に私たちの希望がまとまりました。
第二の方法
主に高等部の皆さんが選択されました。
七瀬美空 <ななせ みく>
咲野美桜 <さきの みお>
朝日奈菊 <あさひな きく>
朝宮琴葉 <あさみや ことは>
恵南優花 <えなみ ゆうか>
南瀬空結衣 <みなせ あおい>
花見沢双葉 <はなみざわ ふたば>
花園百合 <はなぞの ゆり>
胡桃坂智里 <くるみざか ちさと>
古美山桜 <こみやま さくら>
以上十人が選択されました
第二の方法
主に中等の皆さんが選択されました。
姫野楓 <ひめの かえで>
早乙女岬 <さおとめ みさき>
綾瀬遥香 <あやせ はるか>
雪野泉 <ゆきの いずみ>
以上四名が選択されました。
******
始祖さんは「『星乃』さんは、私たちの末娘と遺伝子結合していただけますか。 理由としては、男性種との結合遺伝子の成功率が非常に低いためです。 そのため、私たちは娘たちの中で男性種に最も近い遺伝子を持つ末娘を選択しました。後の方は、実際にプロフィールをお見せしますので、気に入った相手をお選びください」
******
エルフィン星女性種のプロフィールを見ながら、各自が選択した結果が次の通りです。
Elf01 15歳
美咲先生が選択しました
肉体年齢はニ十二歳になります。
Elf02 15歳
南部長が選択しました
肉体年齢は十七歳になります。
Elf17 12歳
本田さんが選択しました
肉体年齢は十二歳になります。
Elf18 12歳
月愛が選択しました
肉体年齢は十二歳になります。
Elf19 12歳
星乃哉太が選択しました
肉体年齢は十二歳になります。
Elf03
七瀬さんが選択しました
肉体年齢は15歳
顔:少し面長な小顔
目:マリンブルー
髪型:腰まであるストレートロング
カラー:プラチナブロンド
スタイルは:身長170/脚長90
B95/UB65/w45/H85
Elf04
咲野さんが選択しました
肉体年齢は15歳
顔:丸みを帯びた小顔
目:エメラルドグリーン
髪型:長めの前下がりボブ
カラー:ブロンド
スタイルは:身長173/脚長93
B95/UB67/w45/H85
Elf05
朝日奈さんが選択しました
肉体年齢は15歳
顔:フェアリー顔
目:淡いブルー
髪型:腰までのさらさらロング
カラー:グリーン
スタイルは:身長175/脚長95
B90/UB65/w45/H85
Elf06
朝宮さんが選択しました
肉体年齢は15歳
顔:フェアリー顔
目:マリンブルー
髪型:腰までロングツインテール
カラー:グレー
スタイルは:身長175/脚長95
B92/UB63/w44/H95
Elf07
恵南さんが選択しました
肉体年齢は14歳
顔:幼さの残った小顔
目:エメラルドグリーン
髪型:腰まであるロングツインテール
カラー:グレー
スタイルは:身長172/脚長92
B90/UB65/w45/H85
Elf08
南瀬さんが選択しました
肉体年齢は14歳
顔:丸みを帯びた小顔
目:モスグリーン
髪型:腰まであるさらさらロングヘアー
カラー:ブラウン
スタイルは:身長173/脚長93
B93/UB64/w45/H90
Elf09
花見沢さんが選択しました
肉体年齢は14歳
顔:少し細面な小顔
目:ルビー(円熟した紫みの赤)
髪型:ロングヘアー
カラー:ブラウン
スタイルは:身長175/脚長95
B93/UB65/w45/H90
Elf10
花園さんが選択しました
肉体年齢は14歳
顔:幼さの残った小顔
目:ブルーサファイア
髪型:ツインテール
カラー:ブラウン
スタイルは:身長174/脚長94
B90/UB65/w47/H88
Elf12
胡桃坂さんが選択しました
肉体年齢は14歳
顔:少し面長な小顔
目:マリンブルー
髪型:ロングツインテール
カラー:アクアマリーン
スタイルは:身長174/脚長94
B93/UB64/w45/H90
Elf13
古美山さんが選択しました
肉体年齢は13歳
顔:フェアリー顔
目:アメジスト
髪型:腰まであるさらさらロングヘアー
カラー:エメラルド
スタイルは:身長170/脚長90
B90/UB65/w47/H88
Elf11
姫野さんが選択しました
遺伝子結合し卵から
Elf14
早乙女さんが選択しました
遺伝子結合し卵から
Elf15
綾瀬さんが選択しました
遺伝子結合し卵から
Elf16
雪野さんが選択しました
遺伝子結合し卵から
*****
みんなの選択が終わったので、始祖さんに結果を報告しました。
始祖さんから卵からの成長について。
「卵をふ化させる際には、人工保温機を使用してふ化させます。卵がふ化すると、体長約五センチのフェアリー種が生まれます。フェアリーは、男性種または女性種の胸から分泌される蜜を吸って【約半年】で三十センチまで成長すると背中にある羽が取れて、歩行するようになります。フェアリーは、約1年間【五十センチ】までは蜜を吸って成長します。その後、成体となり、通常の食物を摂取するようになります。成体になってからも、成長は続き、約十年で成長はほぼ終わります」
と、説明がございました。
引く続き食料について。
「エルフィン星人の食事は、地球人とあまり変わりませんが、彼らは元素を使用して人工的に食物を作ることができるため、食糧不足に陥ることはほとんどありません。食料はこの船の設備で作ることができます」
今後の予定について。
「この夢から覚めたら、第二の方法と、第三の方法の方は、髪の毛でも構いませんから、細胞を名前を記入た保存容器に入れて、第一の方法の方に渡してください。第一の方法の方は今日の十四時ころ転送ゲートを天文部室に開きますので、そこを通て船まで来てください。至急でクローンを作成し、本日中に再度天文部室にゲートを開いて送り届けます」
記憶について。
「クローンを地球に送り届けた時点で、皆さんの記憶から私たちとのことを削除します。クローンは少し体形が変わるので認識者の記憶も変更します」
*****
『星乃』くんが始祖さんに
「始祖さん、みんなの記憶が消えちゃったら、ゴブリン星人のことも忘れちゃうよね。 将来もし襲われた時、対応できなくなるんじゃない?」
始祖さんは
「そうならないよう今後誕生する新しい生命体に頑張っていただきたいのです。また最悪の場合は全人類救済はできないでしょうが、一部の地球人を新天地に転送して生き延びることも考えていかなくてはなりません」
しばらくして、始祖さんは
「それでは説明終わります。ご協力感謝します、有難うございました」
しばらくすると、靄がかかってきて夢から覚めました。
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