第3話 天文部週末活動

 今日は週末活動の日、私は家が近いので授業終了後一度家で夕食を取り、着替えてから再度、登校します。 部員の中には遠いので近くの食堂で夕食を取ってから、部活に参加します。


 今年は、5月に火星が接近するので活動内容は火星観測です。

 火星は地球より太陽から遠く、半径も約半分と小さいので(3396.2㎞)肉眼でとらえるのはとても大変です。

 今回の観測で極冠(きょくかん)を観測する予定ですが、うまくできるといいな~


 ******


 今日私は『月愛(るな)』と待ち合わせて、学校の近くで夕食を食べることになったの。 彼女に「今日の観測って火星だよね、火星のこと勉強してきたの~」って聞いたら、「火星って、地球の次の惑星だよね、すごく小さくて見えにくいけど、子供の頃に見たことがある気がする」と答えたわ。

 やっぱりか~と思いながら小さなため息ついてしまったの。


 「え~、何かおかしいかな~」

  そしたら私が、 「いや、間違ってないけど、天文部だからもうちょっと詳しく調べるとかないと今晩の観測で困るかもしれないと思うよ」

 と答えたんだ。彼女が、 「そっか~、じゃあ『哉太(かなた)』教えてよ。あんた宇宙が大好き【少女】だから、詳しいでしょ?」って言ってきたわ。

 僕は、また女の子の扱いする。困るな~と思っけれど、まあ今更だけれどね。


 「じゃあ、説明するからよく覚えてね。火星はね、太陽系で四番目の惑星で、明るさは最大でマイナス3.0等。太陽からの距離は平均で二億二千七百九十万。キロで、公転周期は約一年十一か月、自転は約二十五時間、七百八十日周期で地球に最も接近するの・・・それでね今年の五月に地球に最も近づくから部長は張り切っているんだと思う。

 星が赤く見えるのは、地表が酸化鉄で規則化しているから、大気は二酸化炭素が主成分で、地球と同じように地軸が少しだけ傾いているから昼夜、四季があるらしいよ。極地には白い極冠があるから、望遠鏡で見られるといいね。こんな感じかな?」


 『月愛』はそれにこたえて、 「じゃあ公転周期は約二年で自転周期はほぼ地球と一緒、公転周期と同じで二年に一回地球に近づくのね・・・なら、地球から移住できそうじゃん」


 僕はあきれて、 「人の話を聞いてる~ 大気はほとんど二酸化炭素で水がないんだよ・・・生きていけるわけないじゃん」


 月愛はむっとして、 「でもでも~極地に氷あるじゃん、それ解かせれば水ができるし、酸素も作れるじゃん」


 僕は答えて、 「そうだね~人が暮らせるほど大量のエネルギーが火星で作れれば可能になるね・・・今の科学力ではちょっと厳しいけれどね」

 まあ、『月愛』は納得はしてるのだろうけれど、少しだけすねて斜め横を見てしまった。


 そろそろ時間が来たので、 「『月愛』・・・そろそろ時間だから、学校に戻るよ」、 そう声をかけて連れだって部室に移動することにしました。


 ******


 部員全員がそろったので、活動を始めることにしました。部長の私が、 「みなさん、今年度の初めての週末活動を始めます。顧問の先生は今日はお休みで、事故やけがないように注意して観測を行ってください。まずは、今年の五月に火星が大接近。するため、今回の活動と五月の連休には火星の観測を行います。皆さん、夜遅くまで観測するため、疲れたら無理をせずに交代しながら観測してくださいね」 と、声をかけると。

 みなでうなずきながら返事をしていたので、観測方法について説明を始めました。

 「新入部員は初めてなので観測方法について説明いたします・・・本校の天体望遠鏡はほぼ全自動です、よって火星観測の自動追従プログラムに高等部二年の『朝日奈菊 <あさひな きく>』さんにデータの設定をお願いします・・・望遠鏡の画像は正面のモニターに投影されます、それをもとに画像撮影および、データどりを行います・・・何か質問はございますか?」


 新入部員の『本田輝夜<ほんだ かぐや>』さんが手を挙げたので指名しました。

 「天体望遠鏡の使用方法は教えていただけないのですか?」

 もっともな疑問なので

 「説明は後日放課後の活動時に順を追っていたします・・・あと、望遠鏡はとても大きく当たると危険なので近くには寄らないでくださいね」


 ******


 順調に観測は続いてますが、さすがに四時を過ぎたあたりで疲れてきたようなのでここで一回休憩タイムを取ることにしました。

 「皆さんお疲れさまです、かなりデータも取れたのでここで休憩を取ります、飲み物とおつまみ用意したので各自キリの良いところで降りてきてください」


 各自思い思いに雑談しながら休憩していると新入部員の『星乃哉太 <ほしの かなた>』君が話しかけてきました。

 「先輩は異星人はいると思いますか?」

 私はどう答えたらいいのか少し考えて

 「私たち地球人も、他の星から見れば異星人だから、否定することはできないわね。でも今まで地球に異星人が友好的または侵略行為ともに存在したという確かな証拠は見つかっていないの。だから、あなたが期待するような出会いは難しいかもしれないわね。でも、諦めずに、異星人の交流を夢見ることは大切よ。いつか出会いがあるといいわね」


 彼・・・う~ん 見るからに女の子、それもかなり美少女 スタイルがいいし髪も腰まであって、本当に男の子なの~声もかわいいしあ~私の感覚がおかしくなりそう・・・

 気を取り直して  う・うんと小さくせき払いをして。

 「どうかな、これでいい?」

 彼はうなずいて

 「確かに、科学的な証拠はないけど、昔から世界中には「エルフ」「妖精」「オーク」「ゴブリン」日本だと「鬼」といった伝説的な存在が語り継がれていますよね。これらは不思議なことではありませんか?

 そうしたらね、かなり昔に宇宙人が地球に飛んできて、その様子が伝承として残ってきたってことかもしれないよね。 エルフや妖精、オーク、ゴブリン、鬼なんかは、それぞれの文化によって形を変えて伝えられてきたて思うんだ。まあ、それは科学的には証明できないし、ただの推測だけど」


 私は、面白い仮説を立てる子だな~と思い

 「うん、たしかにその考えもあるけど、今は異世界説って小説やマンガ、アニメなどの作品でよく見かけるよね」

 彼は首を振って

 「異世界説って夢のような感じがするよね。でもわたしはやっぱり、宇宙人だと思う。異星人の方が自然な感じがまだするよ」


 「そうね、異世界説は少し現実離れしてるね、次回の合宿でみんなで話し合ってみましょうね」

 彼【彼女】は顔を輝かせて何度もうなずいていました。


 ******


 しばらく休憩したので

 「それでは、皆さん最後のデータ整理して、片付けが終わったら、本日の週末活動を終了いたします、データの漏れ等ないように最終チェックをしてくださいね」


 画像の写り、データ内容の確認を何度も確認して問題ないと判断できたので

 「皆さんお疲れさまでした~・・これでお開きにいたします、来週末はいよいよ春合宿です、三日間泊まり込むので着替えとお泊まりセットを忘れないでね

 食事は家庭科室を借りて皆さんで作っていただきます

 お風呂は銭湯を利用いたします

 合宿室も予約しているので昼間は合宿室で寝るます


 それでは解散です気をつけて帰ってくださいね」

 七時ころ解散となり、みな思い思いに帰路につきました。

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