第2話 天文部活動

 私たち天文部の部室は校舎の屋上に位置する観測ドーム内にあります。

 学校の規模の割には結構しっかりしたドームで、使用している望遠鏡は口径40センチ/焦点距離5000ミリの反射型で、自動追尾型赤道儀および、ドーム開閉部も追従して回転するタイプと充実した設備を備えています。


 ドーム内の中央部分が少し高くなっており、そこには階段があります。周囲にはテーブルが配置され、部員は自由に椅子に腰かけて部活動の開始を待っていました。


 新入部員はドームに入って階段手前で、不安そうに立っていました。 私は新入部員たちを見て、今年待望の男性部員が入ったはずなのに少し違和感を覚えていました。 気を取り直して新入部員たちに「一緒についてきてください」と声をかけ、階段を上り、観測用の椅子に腰掛け部員たちを見渡しました。


 「それでは本年度第一回目の、天文部活動を実施いたします」 一度皆を見渡すと、みな聞き耳を立てているので続けて発言することにしました。


 「私は、天文部部長の『南彩月<みなみさつき>』と申します。高等部の三年生です。本日の議題は、昨年度まで担当していただいた顧問の先生が退職されたため、新任の顧問の先生を皆さんにご紹介いたします。また、新入部員の方々にはお名前と志望動機を自己紹介していただきます。最後に今後の部活内容の説明をさせていただきます」


 特に質問があがてこなかったので、顧問の先生の紹介を始めることにしました。

 「それでは顧問の先生を紹介いたします。『美咲彩羽』先生です」


 先生は、椅子から立ち上がり、小さく会釈し、自己紹介を始められました。その時前下がりボブの前髪がさらりと顔を隠しましたが、服の襟元あら胸の谷間が見えました。小柄なのにかなり胸が大きいみたいです。


 「先ほど紹介されました通り、本年度より天文部の顧問に就任しました『美咲彩羽<みさきいろは>』と申します。年齢は二十二歳で、今後は、生徒の皆さんが天文学に興味を持ち、楽しみながら学べるよう、全力でサポートしていきたいと思います。

 授業では、中等部一年生の理科や高等部の地学を担当いたしますので新入部員の方々や高等部二年の方々ともお会いする機会があります。今後ともよろしくお願いします」 先生は話し終わると再び小さく会釈をして着席されました。


 「先生ありがとうございました、それでは各部員の自己紹介を始めます、まず私から」 一度心を落ち着けて話し始めました。

 「改めまして、部長の『南彩月』と申します。五月生まれで、現在は十七歳です。子供の頃から星が好きで、将来的には天文学に関する職業に携わりたいと思っています。皆さんが星について知りたいことがあれば、どんなことでも聞いてください。できる範囲でお答えいたします」

 私は小さく会釈をし、 「引き続き副部長の『七瀬美空』さんお願いいたします」

 と声をかけて着席しました。


 副部長の『美空』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 「新入部員、そして顧問の先生、初めまして。私は『七瀬美空<ななせ みく>』と申します。七月生まれ十七歳です。天文学に興味があり、星座や天体観測について学びたいと思っています。趣味としては、読書や散歩です。部長の『彩月』とともに部を盛り上げていくために、努力して参ります。よろしくお願い致します」

 彼女は小さめの会釈をして着席しました。小柄で、セミロングの髪がとても似合っていました。また、彼女はとても顔立ちが良く、部のムードメーカーとしての存在となっています。

 私は立ち上がり、 「『咲野美桜』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 企画係の『美桜』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 「新入部員及び顧問の先生、初めまして。私は『咲野美桜<さきの みお>』申します。四月生まれで、現在十七歳です。これから部活動に積極的に参加し、様々な企画を考えてしてまいりますのでよろしくお願いします」

 小さく会釈をして着席しました。

 彼女は、ふわふわのロングヘアーが印象的で、『美空』とは対照的にとても静かな雰囲気を持っています。後輩からは良き相談相手として頼られています。

 私は立ち上がり、 「『朝日奈菊』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 会計係の『菊』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 「新入部員および顧問の先生、初めまして。私は『朝日奈菊<あさひなきく>』と申します。十月生まれで、まだ十六歳です。部費の管理や備品の購入など、できる限り頑張っていきますので、よろしくお願いいたします」

 小さく会釈をして着席しました。

 彼女は腰までのスーパーロングヘアーが特徴的で、おまけに胸も先生に劣らない。数学が得意で会計は適職ですね。

 私は立ち上がり 「『朝宮琴葉』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 渉外係の『琴葉』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 「新入部員及び顧問の先生、初めまして私は『朝宮琴葉<あさみや ことは>』と申します。七月生まれで現在十六歳です、部活動がスムーズに進めよう、外部の団体との調整を担当しますのでよろしくお願いします」

 小さく会釈をして着席しました。

 彼女はセミロングでトランジスターグラマーです。 スポーツ万能なのに何で天文部に入ってくれたのか気になります。

 私は立ち上がり 「『恵南優花』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 『優花』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 「私は『恵南優花<えなみ ゆうか>』九月生まれ十六歳です。星についてはまだ詳しく知らないので、天文部で学びたいと思って入りました。質問があれば部長や先輩方にお願いしたいと思います」

 小さく会釈をして着席しました。

 彼女はとてもきれいな顔立ちをしてロングツインテールをしています。 天文学に興味があるわけではありませんが、星を見るのが好きで、天文部で知識を深めたいと思って入部したようです。

 私は立ち上がり 「『南瀬空結衣』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 『空結衣』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 「私は『南瀬空結衣<みなせ あおい>』十一月生まれ十五歳です。星が大好きで、いつまで見ても飽きません。皆さんと一緒に楽しみましょうね」

 小さく会釈をして着席しました。

 彼女は小柄でポニーテールがとても似合っていており、少し天然でドジっ子なところがあるようですが、天文学に興味はある様子です。

 私は立ち上がり 「『花見沢双葉』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 『双葉』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 私は『花見沢双葉<はなみざわ ふたば>』二月生まれ十五歳です、天文学を研究するのが大好きです。よろしくお願いします」

 小さく会釈をして着席しました。

 彼女は着やせするタイプで、隠れ巨乳。 ウェーブのかかったセミロングが似合ています天文学が大好きで研究者肌、周りが見えなくなるのがたまにきずかな。

 私は立ち上がり 「『花園百合』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 『百合』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 「私は『花園百合<はなぞの ゆり>』と申します。三月生まれで、現在は十五歳です。星を見ることが大好きで、空を見上げると心が洗われるようです。趣味は星座の観察と天体写真撮影です、よろしくね」

 小さく会釈をして着席しました。

 スタイルがとてもよくてショートヘアのお嬢様タイプ【実際にお嬢様】少し自己中心的なところがあるのだけれど憎めないのよね~

 私は立ち上がり 「『姫野楓』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 『楓』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 「私は『姫野楓<ひめのかえで>』と申します。十月生まれで、現在は十四歳です。趣味はキャンプやアウトドア、そしてもちろん天文学です。将来は、天文学に関する研究をしたいと考えています。よろしくお願いします」

 小さく会釈をして着席しました。

 彼女はセミロングヘアの明るく元気なとても友達が多い・・・少しうるさいかなぁ~

 私は立ち上がり 「『胡桃坂智里』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 『智里』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 「私は『胡桃坂智里<くるみざか ちさと>』と言います。六月生まれで、今十四歳です。趣味は読書と星を眺めることです。天文学にはまってからは、星座の名前や特徴を覚えるのが楽しく性格はおとなしめで、人見知りしますが、みんなと仲良くできるように頑張りますので、よろしくお願いします」

 小さく会釈をして着席しました。

 彼女はサイドツインテールで小柄な体型で、子犬のように甘えん坊な性格をしています。

 私は立ち上がり 「『古美山桜』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 『桜』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 「私は『古美山桜<こみやま さくら>』四月生まれ十四歳です。特に話すのは苦手ですが、皆さんの話を聞くことが好きです。よろしくお願いしま」

 小さく会釈をして着席しました。

 彼女は小柄でショートヘア口数が少なく物静か、聞き専ですね

 私は立ち上がり 「『早乙女岬』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 『岬』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 「私は『早乙女岬<さおとめ みさき>』と申します。八月生まれの十三歳で、天文学の研究や星を観察することが大好きです。小学校の頃に、母親と一緒に夜空を見上げたがきっかけで、天文学に興味を持ち始めました。理科系の教科は得意です。よろしくお願いします」

 小さく会釈をして着席しました。

 彼女はとてもかわいくてセミロングヘア、学校の成績もとてもよく天文学もとても詳しい将来の部長候補かな?

 私は立ち上がり 「『綾瀬遥香』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 『遥香』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 「私は『綾瀬遥香<あやせ はるか>』七月生まれ十三歳です、天文学はまだまだ初心者で、詳しいことはわかりませんが、星を見ることは大好きです!、とても癒されます。  いつか自分でも天文学の勉強をして、もっと深く理解できるようになりたいと思っています」

 小さく会釈をして着席しました。

 彼女はとてもスリムでショートヘア、とても明るくて話すことが好きみたい

 私は立ち上がり 「『雪野泉』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 『泉』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 「私は『雪野泉<ゆきの いずみ>』十二月生まれ十三歳です、普段はのんびり屋で、やる気が出ない時もあるけど、興味のあることには真剣に取り組みます。失敗も多いです。が、前向きに進んでいるので、大きく見て頂けて嬉しいです。一緒に楽しい時間を過ごせると嬉しいです!」

 小さく会釈をして着席しました。

 彼女は中学生にしては胸が大きくいまだに発展途上中のロングヘアンrこのように目まぐるしく気が変わります・・とらえどころがないタイプ

 私は立ち上がり 「それではこれから新入部員の紹介を始めます『本田輝夜』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 『輝夜』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 「顧問の先生や先輩の皆さん、はじめまして。私は『本田輝夜<ほんだ かぐや>』十一月生まれ十二歳です、と申します。十一月生まれの十二歳です。私は昔から夜空を見上げ、星を見ることが大好きです、より美しい星を見つけ、学び、成長していきたいと思っています、どうぞよろしくお願いします」

 深々と会釈をして着席しました。

 うわ~かなりの美人さんだスタイルもいいしロングヘア・・・かわいい~

 私は立ち上がり 「『本田輝夜』さん一緒に星空を見て楽しみましょうね、それでは『松林月愛』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 『月愛』さんが立ち上がり小さく会釈をし

 「顧問の先生と先輩の皆さん!私は『松林月愛<まつばやし るな>』と言います。九月生まれ十二歳です、私は『星乃哉太』の幼なじみで、彼が見た目女の子になってしてしまったのは実は私なのです。 なのでこの学校も、天文部も彼が入るからついてきました、よろしくお願いします」

 深々と会釈をして着席しました。

 なるほど『哉太<かなた>』君か見た目女の子だけれどれっきとした男性部員なのね・・『月愛<るな>』さんもスタイル良いしきれいなセミロングヘア今年の新入部員素敵な子が多いなぁ~

 私は立ち上がり 「『松林月愛』さん有難うございました、言い出せなかったのですが今年男性部員が入ったと聞いていたのに見当たらなかったのでやっと理解しました、それでは最後に『星乃哉太』さんお願いします」 と声をかけて着席しました。


 『哉太』さんがおずおずと立ち上がり小さく会釈をし

 「初めまして、顧問の先生方や先輩方。 私は『星乃哉太<ほしの かなた>』と申します。 五月に生まれ、現在十二歳です。 私は物心がついた時から『月愛』に女の子の格好をさせられて遊びました、私の二人の姉も面白がって自分のお古の服を着せて楽しんでいたので、女の子の格好をすることが好きでした。受験する際に、男性でもスカートを選択できるという条件を知ったので、入学を決めました。 また私は宇宙人は絶対いると信じています。いつか宇宙人と知り合えて友達になれたらと考えて入部を希望しました、よろしくお願いします」

 深々と会釈をして着席しました。

 彼【彼女】の手足は細くて長く、顔は小顔でスリムな女性にしか見えません。髪は耳の前で始まり、肩までの三つ編みツインテールになっています。後ろ髪は腰まであるロングヘアです。声もまだ変わっていないのか、少女っぽく、天文部一の美少女にしか見えませんね・・・あぁ~私の頭がおかしくなりそぉ~

 私は立ち上がり 「『星乃哉太』さん有難うございました、本校はとても自由な校風です、またあなたらしさに異議を唱える部員は天文部にはいませんので安心してください、それでは自己紹介を終わります」


 少しだけざわつきましたが、私の言葉を聞いてからは落ち着きを取り戻したので最後の議題に移りました。


 「それでは、今後の活動について説明いたします、なお質問がございましたら説明が終わった後にまとめておこなってください、よろしくお願いします」


 「天文学部では、天体観測を主な活動としており、そのため夜間の活動がメインとなりますが、学業を優先させるため週末のみ夜間活動となります。

  普段は終業後、週末の準備や資材の手配、資料の整理などを行います。

 また、年に三回の合宿を行いますが、夏休み以外は本校天文部室で泊まり込みます。夏休み合宿の宿泊費と交通費は自己負担となってますので各自計画を立ててください。

 秋の学園祭では、それぞれの研究発表を行います。普段から資料の整理を怠ると、秋になってから大変厳しくなりますので、上級生は手本となり新入部員のお手伝いもお願いします」


 ゆっくり周りを見渡しおおむね理解いただけたようなので


 「以上ですが、何か質問はございますか」


 新入部員の『星乃哉太』さんが手を上げたので指名しました


 「顧問の先生は、終末の泊まり込みおよび、合宿参加していただけるのでしょうか?」


 私の代わりに先生が立ち上がって


 「合宿は参加しますが、週末の夜間活動は原則参加いたしません、ただし部内で話し合って部長より依頼があれば検討いたします」


 先生はしばらく待っていましたが、理解いただけたようなので着席されました。


 「それでは明日第一回目の週末夜間活動を行います、各自授業終了後、夕食を取り十九時までに部室に集まってください、本日は解散いたします」


 みんながやがやと部室から出てゆき、私だけになった後、無事終了したなと胸をなでおろしました、気持ちを切り替え明日の夜間活動の準備に手落ちがないか再確認することにしました。



  ******



 僕は部会終了後、『本田輝夜』さんが同じ天文部であることに感動し顔に出てないかとどぎまぎしていると、『月愛』が顔を覗き込んでました。


 僕は慌てて声が裏返って


 「なに?」


 と尋ねると


 「別に~」


 と何もかもお見通しだといわんばかりでした。


 夜道を感傷にふけって歩いていると、ふっと詩が浮かんだので書き記しました。


 胸のときめきに耐えかねて

 宵やみ迫る星空を

 見上げた後に涙する

 薄くきらめく宝石と

 見まごう星に見えるとき

 前にたたずむ瞳にも

 きらめく星が見えました

 わがときめきに気づき時

 人恋しさに初めての

 男であったと知りました


 あ~僕に文才があったらなと思い知りましたが、明日の週末活動を思い、また眠れない夜になるだろうなと思いながら帰路を急ぎました。


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