第3話村の勇者

僕は雨が降るなか、傘をさして赤鬼の権田タケシのいる畑に向かった。

タケシを倒そうとしているのは、孔明だけではなかった。

2人の若者が赤鬼から、離れた場所で何か揉めていた。

「はっ離せ、拓哉!」

「うんにゃ、話さない音吉」

「オラが妹の仇を取るんだべ」

「音吉には無理だ!」

2人の若者の音吉はスーパーマンのような格好をして、マントが雨に濡れていた。一方、拓哉はふんどし1枚だ。20代であろう、男らだ。

「音吉、死ぬ気かっ!」

「バカ言うでねえ、オラは村一番の魔法使いだっぺ。タケシをオラの妖術で倒し、妹を助けるんだべ」

「お前には無理だ!死に急ぐな!」

「ええい、離せ拓哉」

すると、2人の争いをたしなめる老人があらわれた。

「あっ、お師匠様」

と、音吉が言った。

「音吉よ、お前の村を愛する気持ちは十分、分かった。影に隠れてワシの戦いぶりをみていなさい」

さすがに、音吉はお師匠様に逆らわず、拓哉と共に、岩陰に隠れて戦いぶりを見学した。


タケシは、畑のスイカに夢中になり、まさか近くで大魔法使いがいるとは、気付かなかった。

「痛いよ~、痛いよ~、段々切れ味が鋭くなるよ~」


「あっ、拓哉、あれはレベル150以上の魔法使いが使える魔術だよ!」

「そうか?お前はレベルいくつだ?」

「オラは修行を11年積んでレベル8だ!」

「たったのレベル8か?」

「水の中に顔を突っ込んで、1分間我慢出来るんだ」

「へ、へぇ~凄いな」


「切り裂くよ~、バラバラに~、えいっ!八つ裂き光輪」

お師匠は、何でも切り裂く八つ裂き光輪をタケシ目掛けて発射した。


チン!


八つ裂き光輪はタケシの頭に命中したが、あまりにも硬い肉体なので、かすり傷一つもできなかった!

「ち、チンとは!ま、まさか、ワシの八つ裂き光輪が効かぬとは!あ、悪魔じゃ~」


声に気付いた、タケシはお師匠にスイカの種を機関銃の様に口から飛ばした。


うぎゃ~!


お師匠は身体を蜂の巣にされて、絶命した。


「拓哉、逃げんべ」

「んだ、んだ」

2人の若者は走って逃げた。

一部始終を見ていた、僕は蜂の巣にされた、老人に近寄り呪文を唱えた。

「ぶつぶつぶつぶつ、復活AED

お師匠は目を覚ました。

「あぁ~、死んだかと思った」

「死んでましたよ!」

「あ、あなは、諸葛孔明様。助けて下さりありがとうございます。やはりレベル2億の孔明様しか、タケシは倒せません。この、村をお助けください」

「解りました。直ぐに対処致しますんで」

「ありがとうございます」

魔法使いの老人は、岩陰から戦いを見物した。

赤鬼がこっちを見ている。

また、スイカの種を僕に飛ばしてきた。

バリア

タケシは僕を睨んだ。

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