第1話アナタとの欠片さえあれば

 そこではい□も僕は泣いて□る。一体何がそんなに悲しいのかわからない、ただそ□な自分を見下□して、□はそんな自分に,,,,,


「朝か、、」


 眠り《スリープ》から覚めたとき、ごく稀に頬に水滴がついているような感覚に襲われる。

 手で拭っても拭き取れない、それが付着してる現象は確認できない、きっとバグなのだろう俺の型はとても古いからところどころにガタが来ていても不思議ではない。


 ザザッ・・・


『お、、□□ゃ□、、』


 ザザッ


 とうとうノイズまで出てきた、新しい型に乗り換えるべきなのかもしれないがあまり気は進まない、俺は今の体を気に入ってるのだろう。

 いつも通り体のメンテナンスを終わらせ、顔見知りのアンドロイドに挨拶をしたあとで、いつも通り何処かへ絵を描きに行く。

 そうやって今日もいつも通りに近所の奴らと平和な一日を過ごして眠る、はずだった、、


 今日は川沿いの土手を決まりもなくただ歩いている、両手の第Ⅰ指と第Ⅱ指で枠を作りその中に描きたいと思える風景が見つかるまで探し彷徨っている。

 しばらく歩いては周りを見渡し描きたいものを探すその繰り返し、


「ん?」


 その視界の隅に小さな人影が倒れているのが映り込む、、

 ガスマスクのようなもので口元が隠れてよく見えないがおそらく少年機それも小柄で細い体つきをしたアンドロイドだ。

 街の奴らに持っていけばそこそこに長い期間生きるために、絵を描くために必要なアレコレを交換して貰えるだろう。

 そんなことを考えながら近づいた俺は目を見開いた

 少年機、いや少年の細かい傷だらけの体は俺の知っている機械のそれとはあきらかに別物だった



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