第1話1-1 どうしてこうなった。
暖かい日の午後、私こと奏は普通学科と言われている人間たちのクラスに混じって翔くんと一緒に体育を受けていた。
「…特殊学科の日光苦手組が普通学科で体育とか」
「奏、傑様何考えてるの」
「すぐる兄さん外交で必要って言ってたよ」
「…危ないだけな気がするけど」
まぁたしかに、私たちより凪やロクの方が適任かもね。動物だから身軽でいざの対処もしやすいだろうし何より日光に弱くない。
「翔くんヴァンパイアだし日光危ないよね」
「それもだけど、にんげ、」
「しょーくーん!こっちおいでよー!」
「…ねよ。」
「いやいや!行ってきなよ」
出来れば行く前に何言いかけたか呟いていってほしい
「はぁ…奏の傍居たいから無理」
「いやめんどくさいんでしょー」
「…だめ?」
「ぁ、甘えてもダメですー!」
「ち、しょうがない。」
今舌打ちしたかこの美形
「奏、ここに居て、動かないでね」
「うん。大丈夫。行ってらっしゃい」
ものぐさで授業の大半を寝て過ごす幼なじみの吸血鬼、赤崎翔が絡まれているのをぼーっと眺める
「…なに?」
「一緒にグループどーかなぁって!」
「一緒にやろーよぉー」
「…他の子誘えば?」
「しょうくんがいいんだよぉー」
「先生も5人でグループ組めって言ってたしね」
「同じ女子で組めば?」
「えぇーうちら翔くんとがいいなぁー」
「そう。…少しだけね」
「やった!」
押し負けてる。翔くんああいう明るくて押しの強い女の子苦手そうだもんなぁー
自分の主張するのめんどくさいとか思ってそう「あ、翔くん巻き込まれた」
「これは当分帰って来ませんなぁ」
急に1人になり暇になる予感に1人事を呟くと
「奏さん翔どうしたの?」
クラスの男の子達に話しかけられた
「今、あの子達に呼ばれて行っちゃったの」
「あれ翔いないの」
「なんか女子に捕まったらしい」
「あいつ素っ気ないのにモテるよなぁ」
「羨ま」
私を囲んで話し始める彼らにめんどくさくなりながら会話を続ける
「3人は体育しないの?」
「俺らはサボりー」
「奏ちゃんとお喋りしたいからねー」
本格的に面倒くさい。翔くん助ける前に自分が助けて欲しい
「体育しなきゃ先生に怒られるよ」
「じゃぁ一緒にやる?」
「あたしここ動けないから笑」
日を浴びたくないし翔くん待ってなきゃ行けないし何より頭が軽そうな彼らが好きじゃない
「じゃぁ俺らここにいて話し相手になったげよーかぁ」
「お前馴れ馴れしいなw」
「大丈夫ここで見てるの楽しいから」
体育で日の下を動き回ってる人間を見てるのが楽しいのであって間違ってもあなたたちでは無い。
「そう?じゃぁ俺らこの辺でやってるからいつでも入ってきて」
「うん。ありがとう」
翔くん早く帰ってこないかな。
「…奏捕まってるから少し抜けるね」
「えぇー、奏さん1人で何とかできるよ!」
「子供じゃないしねー」
「奏の家族に宜しくされてるから行かなきゃ」
「しょうがないなぁ。」
「戻って来てくれる?」
「今日はおしまい。皆で楽しんで」
そろそろ日の下にいるのも嫌だし何より女子に囲まれるのも飽きた、あの子たちなんか怖いし。
そんなことを思いながら絡まれていた奏と合流した。
「奏、ごめんね待たせて」
「大丈夫困ってる翔くん見てたから」
翔くんが帰ってきたのを確認した彼らは無言でニコニコ手を振りながら去っていく。
「見ないで助けて欲しい。」
彼らからすぐ目を逸らし先程言われたことを翔くんに告げ口する
「さっきね、翔くんが素っ気ないって言われたんだけどさ、」
「ん?」
「結構笑うし紳士的で欠点どこってくらい、いい人だよって言いたくなった」
「吹聴しないでよ。」
「言わないよ私だけが知ってたいし」
これ以上人気者になられると困る
「奏、たまに怖いよね」
「えぇー!侵害!」
「それに、見た目ほど性格良くない」
「いいカッコしいよりいいでしょ」
私にはこんなに感情豊かなのに他人にはなぜああも無表情なのだろう。
「そんなことより傑様にもう1回聞きに行こ」
そんな会話をしながら授業の早退許可をもらいに先生のところに向かった。さっきまで話していたクラスの子たちに物騒な話をされていることに気がつくのは少し先の話
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます