第14話 サイコパスになりたくない。(飛ばしていいです)
ゲームである以上、これは楽しむためのものであるはずだ。
ここで戦闘を回避してどうなろうか?
次のミッションで、また戦闘を回避する結論を出して楽しいのであろうか?
このようなゲームではもちろん、会話を楽しむ事も必要であろうが、キャラクターを戦いの中で育て上げるというのが楽しみの一つだという事は僕にだってわかる。強大な敵を協力して打ち倒す喜びは僕にだって想像がつく。
余計な事をしてしまったのかもしれない。
後悔の念が僕を襲う。
こうなったら、魔物の一族に会うや否や先ほどまでの熱弁はどこへやら、迷わず腰の長物を引き抜いて出会った端から鬼であろうが仏であろうが殺して殺して殺し尽くしてやろうか、と真剣に悩んだ。
これはこれで、皆あきれるだろうが、しかし、お望みの展開にはなるだろう。
うまく交渉を纏め上げての無血開城、というよりかはスカッとした結末になることは間違いない。
しかし、一方、そんな事をおっぱじめては、僕のキャラクターの整合性がとれなくなってしまう不安もあった。
非武装非暴力を説き、過剰なまでの平和主義に立脚した理想論をぶちまけておきながら、いざ本番では目の合った全ての生命を無遠慮に奪い尽くす殺戮マシーンと化しては、ただのサイコパスではないか。
快楽殺人犯以下の下衆野郎と言っても過言ではなく、いかにキャラクターとはいえそんな輩とは係わり合いを持ちたくなかったので、どこで折り合いをつけるべきか、僕は道中ずっと悩み続けていたというわけである。
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