第4話 ドライアド

『ユミー会いたかったよー!で、向こうで父さんにあってきたんだって?』


 ドライアドは緑色の娘たちだ。

 葉や花で髪にオシャレをしていて、体の一部が枝や茎になっている。


 中庭にちょっとした茂みができている。


「うん。会ってきたよー。人間たちが悪さするなら少しは痛い目に合わせてやればいいって言ってきた(笑)」


 と得意げにユミが話すと、


『いやいや、つか、お前も人間だろ。』


 頭の上にタンポポを乗せた別のドライアドがツッコミを入れた。


「まぁ、そうだけどね。私思うのよ。世の中は因果応報なの。食ったら食われるし、やったらやりかえされるものなのよ。自分の利益の為に自然を荒らすのであれば、 自然の恐ろしさを・・・その報いを受けるのは仕方ない。」


 ユミは目に狂気ともとれる光を宿す。


『お前を敵にはしないようにするよ(笑)』


 タンポポ頭のドライアドがすっかり萎縮している。


「まぁ、だからこそ、せめて命までは落とさないようにしてあげたいと思うのよ。それに、人間は自分の意思でそれをやめようと思わないとひたすら頑張っちゃうからね。それを止めるのも人間である私の役目だと思うの。

 で、どこからやる?」


 ドライアドはユミの話をじっと聞いてこう答えた。


『小倉町の山がやばいね。5000人くらい仲間の木も倒されちゃてるし、川の下流に街があるけど、このまま大雨が降ったら土石流になっちゃうよ』


「わかった。じゃあ、そこから行こう!」

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