人間 その弐

クソにまみれるとクソになるか。

まあ、想像通りだな。


それはヤクザであろうが、サラリーマンであろうが関係ねえ。


俺は自分の腹ん中のよ、格ってもんを落とす事だけはしなかった。

そのせいで、カシラや兄貴には死ぬほどボコボコにされたけどな。

親父や母ちゃんみたいな人間にはなりたくたかった。


そのうち、俺に付いてくる弟分や兄弟分が出来て、シノギも増え…

一家を構える事も出来た。


真っ黒の人生もたまにはいい事あるな?


何て一人で気分良く飲んだ帰りだった。




ハハハ。

まあ、因果応報ってやつだな。


でもまあ、あの馬鹿猫がきっかけだったのかも知れねえ。


真っ黒な俺がよ?

真っ白になれんじゃねえかって…

もう似合わねえ事をしなくてもいいんじゃねえか…


母ちゃんにも素直に会いに行けんじゃねえかなってよ…



あの真っ黒な色した猫によお。


ハハハ。

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