第二章 ノアと色彩

 #2

悪魔と女の子がしばらく歩いていると、大きな池にさしかかりました。

その時、女の子のお腹がぐうっと鳴りました。

悪魔はぐるっと手を伸ばし、池の魚を捕まえました。

魚が言いました。


「君は人を食べる悪魔だろう。私を捕まえて食べるつもりか?」

「僕は食べないよ。この子がお腹を空かせてるんだ」


魚は女の子を見て、言いました。


「いいでしょう。私を食べなさい。私を食べて、貴方が私の分まで水の中を泳ぐのなら。そこの木の枝で火をおこして、私を焼いて、骨を取って食べなさい」

「ありがとう魚さん」


女の子はマッチで火をおこして、魚を焼いて骨を取って食べました。でも魚は大きく、女の子は、ほんのちょっとだけしか食べられません。


「ああ、お腹が空いたなぁ。残りは僕が食べていいかい?」


悪魔がいいました。女の子がうなづくと、悪魔は残った魚をぱくんと食べました。

すると、悪魔のお尻からにょっきりと、魚の尻尾が生えました。

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オスロンと悪魔 名渕 透 @decode77

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