第4話 リオンと清水先生との間にある恋心

実は、清水先生。

初めてリオンを見た時の印象から、かなり好意を抱いていた。


(かわいいな。。)

そう、清水先生は、心の中で呟く。


だが、次の瞬間には、その気持ちをコントロールし始める。

それが、妹の存在だった。


自分が担任する生徒の姉だ。

学校と言う所の垣根が頭を過る。


それでなくても、無償とは言え、生徒の家に行き、勉強を教えているなど知られでもすれば、自身は勿論だが、妹の事も大変な事になる。


清水先生はリオンに会う回数が増える度に、リオンに対する気持が増す。。

だが・・・

それを表情にも、言葉にも見せなかった。


そうした時に、いきなりリオンとの別れがやって来るのだ。


本格的に受験が始まる時期に差し掛かり、リオンは、あとは自分で勉強をする事に。


そうのように導いたのは何を隠そう、中筒だった。


中筒は、このままでは、いつか二人の間に本格的な愛が生まれるとわかっていたからだった。


特に、清水先生の心は、中筒から見ても完全な恋愛感情だった。


だが、それをリオンにわからないよう

中筒は清水先生の感情を抑制させていたのだった。


この清水先生のリオンに対する感情は、今に始まった事ではないのだ。



そう、過去世からのものでもあったのだ。

過去世でも、清水先生はリオンを見初めていた経緯があったのだ。


だが、結ばれる事はなかった。

なぜなら、リオンは役目で転生しており、役目上別の家系へと行かされるからだった。。。


母「先生、今までありがとうございました。」


清水先生は、とても残念な気持ちだった。母親はその清水先生の表情を見逃さななかったのだ。


母「りお。清水先生は、りおの事が好きなんかな。。」


リオン「なあに? お母さん、そんな事ないよ。きっと。」


母「だって、最後にありがとうございましたって言った時、凄く残念そうだったよ。」


リオン「そうなん? 気のせいだよ。 」


リオンも、自分に言い聞かせていたのだった。



そうして、リオンは清水先生のお陰と、自分でも努力した事で希望通り、付属の短大へと進学が決まった。


母親は清水先生に進学のご報告とお礼の電話を入れた。


そうして、また清水先生が家にやって来るのだ。


久しぶりに再会を果たした二人。


ここから、始まるのだ。

二人の曖昧な関係が・・・。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る