18・敵旗艦内でのバトル
「敵発見!! 侵入されているぞっ!!」
おっと、先ずは二十人ほどの敵陸戦隊らしき一団と遭遇!
俺は、宇宙服というか、パワードスーツというか。
正式名称は『宇宙空間用バトルスーツ』と呼ばれる、生体人工筋肉で俺の身体をよろって、俺の肉体の動作を筋力拡大して発揮するスーツの人工筋肉をパンプアップさせた。
ちなみにこのバトルスーツ、内側のフォトンファイバ繊維膜によって光熱耐性が素晴らしくできていて、また物理的攻撃に対してもナノカーボンファイバーの布を使って表面を覆ってるために、また酷く強い。
要するに、重火器や光線攻撃が一切効かないという事なんだな。
そして、俺のメイン武器は斧でも剣でも槍でもなく。『
俺のバトルスーツには、拳の部分に希少金属である強化オリジウム鋼のナックルカバーが付いている。
コイツで敵をぶん殴るとまた、エライ効くんだな。
「ヘビーマシンガンでミンチにしろっ!!」
木星人がそんなことを言って、こちらに鉛の弾丸を放つマシンガンを向けて来てぶっ放しまくるが、まあ。全く効かねえ。
バトルスーツに当たりはするが、蚊に刺されたほども効きやしない。
「応射しろっ!! スタニングビームでな!! 殺しちまうのはちとまずいからな」
俺の部下のアンドロイド兵が、各々スタニングビームガンで木星人たちを正確に撃ちまくって、無力化する。
「おのれっ!! こうなったら頭の貴様をっ!!」
敵の隊長らしき奴が、激昂してデカい斧を振りかざして俺に殴りかかってきた!
「ふっ! おらっ!!」
俺は気合一声! 振り下ろされる斧に向かって拳の一撃を叩き込んだ!
バガッ!! って音がして、脆くも砕ける敵の斧。
「炭素クリスタルの斧が……!! 砕けただと⁈」
「そんなもんを未だに使ってんのか、木星宇宙軍の陸戦隊は。お前ら、時代遅れ過ぎだよ」
「おの、れっ!!」
敵の隊長は、腰から光線銃らしきものを抜いて俺を撃ったが。
残念なことに。
その光線はバトルスーツに当たったように見えたが、スーツ内部のフォトンファイバの膜に吸収されて一切効果がない。
「とりあえず、時間がねえんだ。おまえ、気絶してろ」
俺はそう言うと、その敵隊長の腹に掌底を叩き込んで悶絶させ。そのまま気絶させた。
『バッシュ少佐。所在位置のモニターできています。そのまま前方に進んでください』
『ミズキ、頼むぜ。もう、敵の五小隊も相手にして退けて。結構疲労がヤバい』
『もう少しです。そのエリアの上階が敵旗艦ブリッジですから』
次から次へと現れる敵陸戦隊を相手にして、アンドロイド兵はともかく、人間である俺は疲労がヤバくなってきた。薬物使えばなんてことはないんだが、後々の身体への影響を考えると、出来るだけアレには手を出したくない。
だから、ミズキからの通信で敵のブリッジが近いと聞いて俺はホッとした。
あとひと踏ん張りだ!! ってな。
「ここから先は通さぬ!!」
お? なんだ? ミズキに言われたとおりに前方に進んで。上階への階段を見つけると。
そこには、軍位階の高そうな木星宇宙軍軍人がいた。
「この火星から買い入れた、人工筋肉スーツで!! 貴様らを叩き殺してくれる!!」
殺意満々な敵の軍人。周りには同じく、火星産だという人工筋肉スーツで身を固めた部下らしき奴が十名ほど。
数は同等。だから、これは勝ったなと。俺は見たがそこは油断せずに。
「アンドロイド兵!! 各自判断で木星宇宙軍陸戦隊に一対一で当たれ!! 俺は、あの位階持ちとやる!!」
「フッ!! 上等だ!! この木星宇宙軍大佐、ギュリオと一対一でやる気か?」
まあ、ギュリオと名乗った奴は。確かに木星人特有のすんげえ肉体を誇ってはいるんだが。
俺は、それでも勝てないとは思わなかった。
「勝負、だぜ?」
右手を前に出して、指を動かし挑発をすると。
「フン! 乗ってやるわ!!」
来た、ギュリオって奴が腕を振り上げて。人工筋肉スーツであのごつい身体の筋力を更に跳ね上げた拳の一撃を放ってくる!
「上等だぁっ!!」
俺はそう叫ぶと。カウンターで俺よりも背の高いギュリオの奴にアッパーナックルをぶち込んだ!! オリジウム鋼のナックルカバー付きの強烈なやつをな!
「がぐぐはっ!!」
船内ということもあって、スーツのヘルメットを着けていなかったギュリオの奴は。
思いっきり上に向かってぶっ飛ぶ。そして、落ちてくるタイミングに合わせて。
俺は弐の撃のボディーブローを叩き込んだ!!
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