責任、取らされちゃう

「んっ、み、美葉っ?」


 お姉ちゃんのそんな声が、聞こえてきた。

 その瞬間、私はお姉ちゃんの胸と手に伸ばしていた手を一気に離して、目を閉じて、すぅすぅと寝息を立てて、寝てる振りをした。


「……美、葉っ、何、してたの?」

「すぅ、すぅ」


 やばい、やばい、やばいやばい。……起きてるのがバレたら、ほんとに、責任、取らされちゃう。……私が悪いんだけど、姉妹なんだから、そういう関係にはならない。なっちゃだめなんだから。

 大丈夫。まだ、誤魔化せるはず。……だって、お姉ちゃんは寝起きだし、私がさっきまでそういうことをしてたから、頭が上手く回ってないはず。だから、まだ、大丈夫。誤魔化せる。


「……美葉、正直に言ったら、許してあげるわよ」


 私がそう考えていると、大分呼吸を落ち着かせたお姉ちゃんが、そう言ってきた。

 ……大丈夫。これは、私が起きてるなら、返事をしてくると思って、鎌をかけてきてるだけに決まってる。

 そう思って、私はまた、すぅ、すぅと寝息を立てて、そのまま、寝てる振りを続けた。


「美葉、正直に言ってくれないと、ほんとに、私、我慢出来ないわよ?」


 すると、お姉ちゃんは私に息がかかるぐらいの距離感まで顔を近づけてきたみたいで、そのまま、ゆっくりとそう言ってきた。


「んっ」


 声が耳に近くて、声が出そうになったけど、私は必死に我慢した。……それでも少し声が出ちゃったけど、多分、聞こえてない、はず。……だって、特にお姉ちゃんに何も言われなかったから。


「美葉、好きよ」


 私がそう、自分に言い聞かせていると、顔をお姉ちゃんの方に向けられて、何かを唇に押し当てられた。

 ……キス、一瞬、そんな考えが浮かんだけど、直ぐに否定した。……だって、私が寝てる間に、キスなんて、してくるわけが無い。……多分、また、鎌をかけてきてるんだ。

 きっと、指を上手いこと、キスをしてきたみたいに、押し当ててきただけだ。


「美葉、最後のチャンスよ。今、正直に言ったら、許してあげるわ」

「すぅ、すぅ」

「ふふっ、そう。美葉が悪いのよ?」


 私が寝たフリを続けると、お姉ちゃんはそう言って、さっきみたいに唇を合わせたフリをしてきたかと思ったら、そのまま……多分、舌が入ってきた。

 私は思わず目を開けてしまって、バッチリと、キスをしてきてるお姉ちゃんと目が合った。

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