いつも言われてることなんだけど……
お姉ちゃんにすりすりして、満足した私は、お姉ちゃんから離れた。……羞恥心を感じながら。
「これは、あれだから、違うから」
そして、直ぐにそう言い訳をした。
「……何が違うかしら」
「だ、だから……お、お姉ちゃんを好き、とか、そういうので、やった訳じゃないってこと!」
「……美葉、責任、取ってもらうからね」
……? いつも言われてることなんだけど、今日はなんか違うような。
「む、昔のことは謝ってるでしょ」
そう思ったけど、私はいつも通りそう言った。
そもそも、今は昔のことなんて関係ないと思うし。……悪いとは思ってるけどさ。
「昔のことじゃないわよ」
? 昔のことじゃないんだったら、何の責任を取れって言ってるんだろう。
私が不思議に思って、首を傾げていると、お姉ちゃんは私の頭を撫でてから、リビングに向かって行った。
お姉ちゃんの言いたいことはよく分からなかったけど、取り敢えず、私はお姉ちゃんについて行って、リビングに向かった。
「そう言えば、何のケーキ買ってきたの?」
「チョコレートケーキよ。美葉、好きでしょ?」
「うん! 好きだよ。ありがとう、お姉ちゃん」
私は笑顔でそう言った。
「ふふっ、良かったわ」
すると、お姉ちゃんは微笑ましいものを見るように、そう言ってきた。
「美葉、そろそろ、ほんとに夜ご飯、作るわね」
そして、お姉ちゃんは続けてそう言うと、キッチンに向かっていった。
「うん」
私はお姉ちゃんの言葉に頷いて、ソファに座った。
さっきまでの不安な気持ちとは違って、楽しみな気持ちでいっぱいになりながら。
そして、直ぐにお姉ちゃんはご飯を作り終えて、持ってきてくれた。
「美葉、ちょっと待っててね、ロウソク、持ってくるから」
「うん」
そう言って、お姉ちゃんはリビングから出ていった。
……? ロウソクなら、リビングにあると思うんだけど、まぁ、いいや。
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