デートが終わる


 お姉ちゃんとお店に入って、料理を頼むと、すぐに店員さんが持ってきてくれた。


「いただきます」


 まだ私のしか来てないから、お姉ちゃんのが来るまで待ってようと思ったんだけど、お姉ちゃんが先に食べててもいいって言うから、私は、そう言って食べ始めた。


「美葉、美味しい?」

「うん。美味しいよ」

「良かったわ」


 別に、お姉ちゃんが作ったわけじゃないのに、私がそう言うと、お姉ちゃんは嬉しそうに、そう言ってきた。

 

 そして、私が少し食べたところで、お姉ちゃんが頼んだやつも店員さんが持ってきてくれた。

 

「頂きます」


 そして、私の食べるところを見ていたお姉ちゃんもそう言って食べ始めた。

 




「ごちそうさまでした」


 食べ終わった私は手を合わせながら、そう言った。


「ご馳走様でした」


 そして、お姉ちゃんも続けて、そう言った。

 

「お姉ちゃん、もう帰るんだよね」


 私は、一応そう聞いた。

 今度こそ、ほんとに暗くなってきてるし、帰るとは思うけど、まだ何かあるかもしれないから。


「ええ、そのつもりだけど、美葉はどこか行きたい場所でもあるの?」

「ううん。もう帰ろ」


 私がそう言うと、お姉ちゃんはお会計をして、私と一緒に外に出た。

 外に出ると、夜だから、普通に肌寒くて、自分から、お姉ちゃんと手を繋いでしまった。


「こ、これは、ど、どうせお姉ちゃんが繋いでくるから!」


 私は何も言われてないのに、そう言い訳をした。


「ふふっ、何も言ってないわよ?」

「ど、どうせ聞いてきたでしょ」


 お姉ちゃんがからかうように聞いてくるから、恥ずかしくなりながら、私は答えた。

 

「美葉、帰るわよ」

「……うん」






「美葉、楽しかった?」


 お姉ちゃんと一緒に、手をつなぎながら帰り道を歩いていると、お姉ちゃんがいきなりそう聞いてきた。

 

「うん。楽しかったよ」


 お姉ちゃんに変な事を言われたりはしたけど、楽しかったから、私はそう言った。

 映画も面白かったしね。……あの、事故のシーンのせいで、変な事を思い出しちゃったけど……うん。楽しかった。


「良かったわ」


 すると、私の言葉を聞いたお姉ちゃんが、嬉しそうにそう言ってきた。

 私はお姉ちゃんと繋いでいる手を、お姉ちゃんが痛くない程度に少し強く握って、一緒に家に帰った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る