もう、むり

「お、お姉ちゃんっ、ま、って」

「待たないわよ」  


 私がそうお願いすると、お姉ちゃんは胸を私の背中に押し当てながら、そう言ってきた。

 ……別に、お姉ちゃんの胸なんて、一緒にお風呂入る時にいつも見てるし、昔……触ったことだってあるし、何も思うことなんてないはずなのに……


「んっ、お、ね」


 私は、何とかお姉ちゃんの腕を掴んで、やめてもらおうとするけど、力が入らなくて、私の抵抗なんてなんの意味もなく、そのまま触られ続けて、洗われた。





「お、ね、ちゃん……もう、むり、だから……」

「ふふっ、そろそろ洗い流す?」


 そう聞かれた私は、無言でこくこくと頷いた。

 そして、私はシャワーで泡を洗い流してもらうと、逃げるようにお風呂場から出ようとしたけど、力が入らなくて、そのままお姉ちゃんに体を預けてしまった。


 お姉ちゃんに服を着てない状態なのに抱きしめられて、私は反射的に離れようとしたけど、それも力が入らなくて出来なかった。


「美葉、可愛いわよ」


 さっきまで、やられていたことがあって、体が熱くて、変な気持ちになってくる。……だから、離して欲しい。……けど、そんなことを正直にお姉ちゃんに言ったら、期待させちゃう、から、言えない。


「は、なして」

「ふふっ、恥ずかしいの?」

「そ、んなわけない、し」

「だったらいいじゃない。どうせ力が入らないんでしょ?」


 確かに、力が入らないから仕方ないかもしれないけど、今、服を着てないんだから……は、恥ずかしいし、無理、だよ……


「今日はお風呂に浸かるのは無理そうね」


 お姉ちゃんはそう言って、顔が熱くて真っ赤になっている裸の私をお姫様抱っこして、お風呂場から出してくれた。

 そしてそのまま、お姉ちゃんは私の事をタオルで拭いてくれたて、服まで着せられた。……もう、ほんとに、しぬ。


「もう、今日は、寝る、から……」

「そう。だったら、私ももう寝るわね」

「い、や……お、ねえ、ちゃん、は、もうちょっと、後で寝たら、いい、と思う、よ?」


 今一緒に寝るのは、ドキドキして眠れる気がしないから、私はお姉ちゃんにそう言った。

 

「ふふっ、一緒に寝るわよ」


 お姉ちゃんはまた私をお姫様抱っこして、有無を言わせずにそのまま私をベッドに連れて行ってくれた。

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