ビッチやヤリマンが嫌われやすい理由を真剣に考える

 結論から言えば、裏切られるイメージが湧きすぎる事でしょう。



 おはようございます、くちです。今日は、『ビッチ』及び『ヤリマン』という属性が嫌わやすい理由について考察しようと思います。



 先に言っておくと、個人的にはどっちも好きです。狡猾さであれ、股間に正直過ぎる事であれ、存在する座標が三次元でも二次元でも、股の緩さは割と魅力だと思います。病気は怖いですが、上手だと尚いいですね。



 まぁ、俺がそういう人たちに構ってもらえる機会は未来永劫訪れないので、いつも通りのファンタジー考察と言って差し支えありません。俺の現実に存在しないのですから、恋愛のエトセトラは総じてファンタジーなのです。クタバレ。



 ……個人的な感想はさておき、まずは前提として両ワードの定義を明らかにしておきましょう。



 調べてみると、ビッチというのは雌犬を表す英単語であるようです。元々は蔑視する言葉であって、必ずしも性に乱れているというワケではなく、重要なのはそれっぽい雰囲気であります。



 清楚ビッチやら、処女ビッチやら、そんな言葉があるのもそのせいです。事実は関係ないので、実際はレッテルに近い言葉なのでしょう。



 対して、ヤリマンというのは軽はずみに男性と性行為をする事とありました。男性相手が限定というのはどういう意味なのか?という配慮を含んだ疑問はさておき、そういうことらしいです。



 こっちは、完全に事実ですね。様々な証言から導かれる結果としてヤリマンと呼ばれるのですから、本人的には否定のしようがないキラーワードといえるでしょう。



 ところで、俺はてっきり『ヤリまくりのお○○こ』の略だとずっと思ってましたが、特にそれらしい文献は存在していませんでした。これ自体に意味がある言葉のようです。



 閑話休題。



 そろそろ本編に入って行くワケですが、冷静に考えればヤリマンが嫌われるというのはおかしな事であります。



 何故なら、誰にでもヤラせるということは、つまり俺にもヤラせてくれるというワケであって、いわゆる無責任な事をしても『知らねぇ』が全然通ってしまう都合のいい存在であるハズなのです。



 言葉を選ばなければ、肉便器です。知らない場所にトイレがあれば、『お、この先でトイレしたくなるかもしれないから先に行っとこ」という感覚になることもあり得るでしょう。



 つまり、そういう感覚でエッチが出来てしまう相手、というワケです。こんなの、慈善家と何も変わりません。おまけに明らか偽善ではないので、嫌いになる理由がないハズなのです。



 これは、ヤリチンも同様です。女の人的にも、『なんかセックスしてぇなぁ』と思った時にサクッと寝れる相手がいれば便利でしょう。行為して、その後に目すら合わせなくていい後腐れの無さというのは楽の一言に尽きます。



 まぁ、本当に『誰とでも』ならばという前提ではありますが。本来お金を払わなければならない事をタダでヤラせてくれるのであれば、これ程のラッキーもないでしょう。



 健康に対するリスクは、かなり高いと思いますけどね。



 次にビッチですが、こっちに関しては難しいところです。先程も言った通りこの言葉は悪口ですので、事実があろうがなかろうが使えてしまいますし。極論、処女相手にも『○ねビッチ』と言えてしまうのですから、ならば正体は『遊んでそうな雰囲気』になるというワケです。



 はい、論ずるに値しません。



 それって普通に好みの問題ですし、俺はかなり好きです。二次元のキャラで言えば『峰不二子』や『ベヨネッタ』もここに分類されるハズです。実際、性に関する描写は多くありませんが、どう考えてもヤりまくってるハズです。



 むしろ、そうじゃなければ嫌です。つーか、見たいか?処女のドロンジョ様やレヴィなんてさ。



 なので、ビッチの結論はこうです。遊んでそうな雰囲気が嫌いな奴は嫌いなだけ。



 では、話を戻しまして、ヤリマンが嫌われやすい理由とは何でしょうか。



 これは、結論付けたビッチにも通ずる事ですが、冒頭でも述べた通り『すぐに裏切りそうだから』です。



 尻軽やら、アバズレやら、泥棒猫やら。基本的に、女が略奪する為の方法を揶揄するイメージで使われやすいセックスですが。本来は子作りですし、故にパートナーとするモノとされているっぽいので、パートナーじゃない人とするのは悪い事になりそうです。



 ならば、『誰とでもする=裏切る』の方程式が成り立つんじゃないでしょうか。



 もう少し、図解してみましょう。



 『裏切り』とは、相手の信頼を蔑ろにしたり弄んだりする事を言います。つまり、互いに積み上げたモノを一方的に破壊される事によって、人は『裏切られた』と感じるワケです。



 ここ、重要です。不倫や浮気などは、『別の相手とセックスした結果、関係が壊れる』のです。実は、セックス自体は結果ではないのです。あくまで、裏切る方法や道具の一つというワケですな。



 だから、元から乱れを組み込んだ男女関係もあるのです。一夫多妻など、金持ちが妻以外の女を何人も囲っていても許される理由はそれです。最初から、二人で積み上げているワケではないのですから、許す許さないの話ですらないのです。



 また、互いに別の相手とセックスをしていた場合も同様です。何せ積み上げていないのですから、これに関しては最初から裏切れません。どちらも背中を向けているので、『切る裏がない』と言うのが正しいでしょう。ある意味、本当の意味で『オモテナシ』なのです。



 ……こんな言葉遊びはさておき。



 つまり、裏切りの方法として用いられる一般的な方法を、常に実行している事に人は嫌悪感を抱くのです。ナイフを持ち歩いている人を見れば、大抵の人は『こいつ、人を殺しそうだな』と思うでしょう。



 ということは、ヤリマンは常にパートナーにとっての『不安』を持ち歩いているのです。自分の知らないところでイケメンが現れたり、もしくは酒に酔ってしまったりすれば、たちどころにセックスをしてしまうんじゃないのかと心配してしまうのです。



 そして、人は心配をしたくない生き物です。俺の知り合いの『DIO』という吸血鬼が言っていたのですが、人は常に安心していたいのだそうです。そのために、金を稼いだり結婚したりするのだそうです。



 素晴らしい。こいつは、クリティカルな意見です。突き詰めていけば、ここに行き当たるというのは幸福を求める人間にとって当然の事です。長い哲学の歴史でもそうなっています。人は皆、幸せになりたいのです。至って当然の帰結です。



 ならば、『安心=幸福』という方程式も成り立ちそうですね。



 ということは、逆説的に『不安=不幸』であります。貧乏が不幸なのも、孤立が不幸な事も、誰しも理解していることです。それらを謳歌していると宣う人は、世間をもっと広い視点で見ればまったくそうじゃない事を理解していないのです。



 本当の貧乏や孤立は、物理的な死に至ります。絶望です。



 つまり、幸福と同義である結婚や恋人関係を揺るがしてしまうヤリマンが、生理的な嫌悪を抱かれる事も当然なのです。そりゃ、嫌われちゃうよねって話です。



 ……さて、感のいい人はそろそろ気が付いたのではないでしょうか。



 ここまでの話って、実は全て被害者目線の話なんですね。つまり、恐らく寝取られたり裏切られたりしていない絶望の未経験者がビッチとヤリマンを嫌いになる理由が全然明かされてないんですよ。



 しかし、理由は結構シンプルです。つまり、受け手側の思い込みと感情移入なのです。



 昨今の作品やSNSを見るに、無意識のうちに異性との関係は恋人か夫婦だと思っている人が多いです。ATフィールドが強力なのです。人類皆、エヴァパイロットみたいなモンです。



 今は、心のソーシャル・ディスタンスとでも言ったほうが分かりやすいですかね。人間、みんなリスクヘッジを取って平和に、そして孤独になりつつあるということです。



 正直言って、俺は男女の友情は成立しづらいんじゃないかと思っていますが、それでも中途半端な関係というのが確実に存在しているとも思ってます。人間関係には、1と0の間にも立場があるのです。



 何なら、1と0の外側にもそれぞれ関係があると思ってますが。まぁ、その話は置いておきます。広げ過ぎると、収集がつかなくなりますからね。



 なので、受け手側が極端になった結果、主人公に感情移入をすると自分の元から離れていったり裏切られたりするイメージを持って生理的な嫌悪感を抱くのではないでしょうか。



 しかし、略奪モノを好きな人は多いですよね。別にネット小説界隈だけじゃなく、AV業界だって不倫は人気ジャンルです。古今東西、ダメなモノほど人気が出るのです。往年の名作映画『卒業』だって、花嫁を攫って不穏な雰囲気で物語が終わりますが、未だに語られるくらい人気です。



 要するに、本当はみんな盗んだり盗んでもらったりしてみたいのですよ。表現のせいで、被害者が主人公側に感情移入してしまうだけです。本来は、ビッチやヤリマン自身に嫌われる理由がない。受け手側が、属性に恐れ慄いていると言えるでしょう。



 ということで、結論。ビッチやヤリマンが嫌われる理由は、人々の持つ異性間の関係が極端に少なくなったからである。



 物語が好きなのか、キャラクターが好きなのか。そこのところで、大きく認識が変わるんじゃないかと思います。なので、昨今のキャラクター性がプッシュされる物語では、綺麗で都合のいい異性が人気になるんじゃないですか?自分はたくさんモテたいなんて、バカ丸出しの矛盾を曝け出してるけど。



 という、何とも他人事な感想で締めましょう。



 個人的にはラノベでも、復讐ではなくヤリマンに対して『二度と淫らな真似はさせない』と惚れさせるような、男気と魅力に溢れた主人公を見てみたいモノですね。

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