第1話

「なーんで今更送ってきたんだろ?しかも壺って・・・今時ないわー」

管理人室に戻っていちゃもんをつける。

「変わらないなー、変な事すんの」

蘇るは夏の記憶。

親戚同士の集まりで出会った、イルカという名の女の子と

テイという不思議な雰囲気な男の子。

初対面は普通だったのだが、日にちが経つ度に

イルカは徐々に本性を表し、暴走してはテイに止められてた。

意味不明な言動が多々あって

夏の蝉の鳴き声と同等にうるさかったし、うざかった思い出がある。


家に帰ったときは、田舎に帰ったみたいに静かだと感じた。

「・・・・・・・・たまには会いたいな。特にテイ」

それからたまーに、三人で手紙を送っていた。


テイとは今でもたまに文通はしているが、イルカに関しては完全に途絶えている。

まあテイと一緒に住んでるらしいから、イルカの事は聞けるけど。


暇だから回る椅子でクルクルしていると、コンコンと窓ガラスを叩かれる。

「はーい、なんでしょう?」

ガラリと窓を開けると

難しい顔をした、月面荘の住民の悪魔がそこにいた。

彼はいつも引きこもり気味で、こうして会えるのもラッキー。そう言っても過言ではないだろう。

そんな彼が、私に何の用だろう?

寡黙な彼は、口を開いた。


「お姉さん、あれ割って」

イルカに貰った壺を指される。

「何故ですか?・・・気に入りませんでした?」

そう聞くと彼はため息をつき、違うと答えた。






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月面荘のオーナーと住民と親戚と? bbキャンセル君 @aiumi

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