春想う

江戸島項騙

プロローグ

親愛なる家族

数少ない友人たちに捧ぐ


この心を書き起こせば、幾許か生活費の足しになろうと思い筆をすすめる。


○令和五年四月十日


 ここのところの私は常に何かに追われている。それは時間であったり、空間であったり、あるいは過去の自分であったりする。常に心が切迫し、休まることを知らず、無理な目当てを立て続けに立て続けるのだ。今は大学三年目の春。晴れやかな東京の青空を尻目に鬱屈とした日々を送り続ける。しかして私は有意義か無意義か、心に溜まる一方の泥を吐き出すべく人生最初の執筆をしてみる。けれども、どうしようとも一寸先は闇の崖っぷちであるように思われるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

春想う 江戸島項騙 @edojima_kohen

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ