第14話――敗北
あまりの敵の
さっき自分が殴った女性が
「余計な真似をするな!」
真っ先にリーダーは、自分の舎弟を
しかし、相手は怯まず、顔が
“Who do you think you are?”
「……何だって?」
英語で返されたリーダーは思わず面倒くさそうに
「『お前は、一体何様なんだ?』 って言ってる」
その声で振り返ると、キャップを被った
「……なんだと?」
“I still don't understand the situation”
「未だに何が起きているのかわからないが」
突然の英会話で茫然とするリーダーを置いてけぼりにして、
“One thing I can say――”
「ひとつだけはっきり言えることは」
すると、
“you're a motherfucker”
「あんたが、救いようのないクズ野郎ってことだけだ」
その表現に、リーダーの両目が大きく
「黙れ。ぶっ殺すぞ。クソ
リーダーが
「やめとけ」
背後から
「あんたが
「……何……?」
「もう、あんたには誰もついて来ない。腹をくくれ。全員で協力し合うことでしか、ここから脱出する方法はないんだよ」
リーダーはふと周囲を見回した。
自分の部下だった長髪、パンチパーマ、金髪坊主、ニット帽、リーゼント頭の男達が気まずそうに戸惑いの視線を泳がせる。
(……こいつらは……俺を絶対に裏切れるわけがないんだ……)
急に我が身に襲い掛かかってきた
「黙れ! 俺がこの場を
すると、彼の言葉に反発するように、地面で拘束されている同じ銀ジャンパーの男女が、不信そうな目つきを向けた。
「……何だその目は! てめぇら、全員ぶっ殺すぞ! 俺に逆らうと、どうなるか教えてやる!」
そう叫ぶや否や、リーダーはすぐ
「やめて!」
抵抗する間もなく、その青白い顔の男の首元に向かってボールペンが真っ直ぐに振り下ろされた。
『やめなさい。
不意をついたその声によって、リーダーの動きが止まった。
ボールペンは首元寸前で制止している。
しばらく静かだったスピーカーから、
『
その呼称を聞き、リーダーの頭の中で、
(……何故、俺の名前を知ってる……?)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます