第11話――主導権
(七人のキリストだって……?)
地面に伏せていた
『今、世界は混乱の
「……キリストの
何の話をしているのか、リーダーには、さっぱりわからない様子だ。
『世界には今、七人のキリストが存在しています。その者達が、目に見えないエネルギーの世界で均衡を保ってきたのです』
リーダーだけでなくその場にいた全員が、思考停止したままだ。
(……とんでもない
ネイビー色の気色の悪い男に
とてもじゃないが、通常の神経で話についていけるはずがない。
そんな彼の
『キリストと聞いて、皆さんが想像するのは、イエスでしょう。元々「キリスト」とはヘブライ語で『油を注がれた者』という意味。つまり、「神から選ばれし救済者」のことで、人の固有名詞ではなく、「称号」を表すもの。イエスも当時の世界の中で、その内の一人でした』
こんな状況で、突然、聞かされる
むしろ、
『その時代によって、キリストは七人存在します。ただ、今のキリストは
(……
アクリルの壁から離れた場所に身を伏せていた
『何も
まるで、宗教的な自己啓発セミナーのごとく、淀みなく、かつ、すーっと頭に入ってくる教えに、知らず知らずの内に誰もがその内容に
話を締めくくるように声は言った。
『今、この世界に
「今……
リーダーの表情が再び険しくなる。
『そう。まさに、一人目のキリストは、この場所に存在します。その者を見つけ、バトンを受け取り、この屋敷からまず一人、解放されてください』
「ふざけるな!」
その張り上げた
「……何がキリストだ。コケにしやがって!」
リーダーが、我を取り戻したかのように、どこにあるのかわからないそのスピーカーに向けて発砲し、ホール全体がまた
すると、
『まだ、その求心力の喪失にお気づきではないようです。皆さん、そっと目を開けてください』
突然、全員が伏せているその
あれは、……スクリーン?
よく、
すると、そこに何かが
全員が目を丸くする。
あれは、リーダーだ。
銀色のジャンパーを着ているが、そのズボンは
そこに映っている自分の姿を確認すると、リーダーは咄嗟に慌てるように周囲を見渡した。
引き続き、優しく
『十八歳未満の
よくよく見ると、リーダーが腰を振っているその先には、
それを見ていた最前に立っている強盗の一味である金髪ショートの女の表情が、憎悪で膨れ上がった。
声は解説するように言った。
『
アクリル板の向こうでメイド女性に拘束されたままの
『皆さん。これが
時折、白目を
「……
伏せたまま
すると、今度はその
ホールに伏せていた者達が、ざわつき始める。
『これが
すると、前方から
アクリル板の向こうで
その時だった。
突然、リーダーだけでなく
追い討ちをかけるように、
『今、この場を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます