第10話――啓示
ホールにいた者全員が、
銀ジャンパーを着たリーダーの男が、その立ちはだかった
一体、何が起きているのか?
入口付近で身を伏せたままの
「ばばぁ! ふざけんな!」
そう叫ぶや否や、リーダーと銃を持った仲間達が、その壁に向かって一斉に
「パチパチパチ」
(あれは、もしかして……
「狙いは良かったですね。でも、この壁は
傍で見ていた
(まさか……ここにいる全員が、ハメられたのか?)
大広間で手足を縛られたままの者達も異変を感じ取ったのか、
「床にじっと伏せてろ!」
ホール内にその声が響き渡ると、壁の向こうの
「そう、その通り。今は、状況を見守るのが一番。
すると、
「し――」
優しく制止するように
「そんなに慌てなくても
「……ボス……?」
すると、
『ピンポンパンポン』
フロア全体に
どこかにスピーカーがあるのか。
突然、静かなクラシック音楽が、ホール全体に流れ始めた。
まるで、バッハの『G線上のアリア』を
リーダーが視線を前に向け直すと、思わずギョッとした。
すると、曲をバックグラウンドに、
『
その包み込むような
すると、それに気づいたリーダーが、
「顔を上げるな!」
と、ヒステリックに天に向かって
それと、同時だった。
アクリル板の向こうにいた
意表を突かれたように目前の
「ボスの話の途中だ! おとなしくしてな!
穏やかな音楽は、何事もないかのごとく広場に流れ続ける。
辺りがシーンと静まりかえると、老婆は再び目を閉じた。
スピーカーから、再び
『皆さん。
何かのアナウンスのような優しく落ち着いた
『皆さんのこれまでの
全員息を呑みながら、ただただその話に耳を奪われている。
『でも、
ホール内の
『
「……
リーダーは、まだ状況が全く呑み込めていない様子だ。
『その試練を乗り越えた先にある光。そこに向かって今ここにいる全員が足並みを
「一体、何の話をしている……?」
リーダーの
彼らの
『その光とは、皆さん自身が救世主になるということです』
「……
リーダーの
啓示の声は、さっきより少しだけ強調するように
『来たるべき世界の滅亡に備え、この中から、キリストを七人選抜いたします』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます