第52眠 夢スキル

 目を覚ますとぼくは、ふかふかのベッドの上にいた。目を覚まして最初に思ったことは、「体が痛すぎる」だった。鎌で切られたところもそうだが、全身がひどい筋肉痛みたいになっていて、指一本動かすのも一苦労だ。せっかく起きたのに何もできないため、ステータスの確認をすることにした。


チェック


ステータスが現れた。ぼくのレベルは23になっていた。スキルは剣術スキルがLv5になっていた。それ以外は上がっていなかった。しかしスキルの欄の下に項目が増えていた。そこには『ドリームスキル』と書かれていて、


『ここにあるスキルは起きて眠るまでに一度だけ一つ使うことができるスキルだ』


と説明も記されていた。夢スキルの欄には二つスキルがあった。リッチ戦で使った『夢遊』と『フォーサイトD』だ。『夢遊』は自分が今まで見た同じ武器種を持つ人と同じ動きや技を繰り出すことができるが、誰の動きを真似するかはランダムらしい。『フォーサイトD』は前見た時は説明がなかったが、今回は確認することができた。それによると、目を閉じることでこれから起きるであろうことの予知夢を一瞬のうちに見ることができる。というものだった。やっぱりゴブリンメイジの時やオーガの時のものだったのか。どちらもかなり強力なスキルだ。考えて使わないといけないな。そう思っていると、扉がガチャっと開いてソフィアとカッシュが入ってきた。


「起きたんだね!よかったー」


「丸2日も寝てたんだぜ」


「ぼくそんなに寝てたの?」


「そうとう無理したんだろうな。でも、目を覚ましてよかったぜ」


「心配かけたね」


「それはそうとよぉトム。お前に聞きたいことがあるんだ」


「なに?」


「最後のあの剣技のことだよ。あれはライトさんの技だった。どういうわけなんだ?」


ぼくはしばらく考える。2人なら話してもいいだろう。


「実はぼく異世界から来たんだ。この世界の召喚士に召喚されてね」


「え?そうだったんだ」


2人は驚いている。


「そうなんだ。それで異世界から来た人たちは特別なスキルを持って召喚されるみたいで、ぼくも『夢を見るもの《ドリーマー》』っていうスキルをもらったんだけど、他に召喚された人たちより弱いスキルだったみたいでソフィアのいた村に連れてこられたんだ。だからリッチの時の剣技はそのスキルによるものなんだ。『夢遊』っていって、今までぼくが見た同じ武器を使っている人の動きやスキルを真似できるっていうスキルみたい。起きて寝るまでに一回しか使えないんだけどね」


「なんだよそれすげえな」


「自分で戦った実感が全然ないし、反動もすごいけどね」


「そうだったんだ。話してくれてありがとう」


「いいんだよ。ぼくはこれから君たちと正式にパーティを組みたいと思っていたからね。隠し事はなしにしたかったんだ」


「俺たちもそのことについて話してたんだ」


「そうなの。みんなおんなじ気持ちでよかった。じゃあ、パーティ名決めないとね」


「そうだね。これからもよろしく2人とも!」


「うん!」「おう!」

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