第48眠 そんなはずじゃ....

 奥に行くとゴーレムが続々と出てきた。


「コアはあと2つなんだろ?」


「そうだよ」


「よし、じゃあ二人とも頼んだぜ」


 カッシュは先ほどのようにゴーレムの腕部と脚部を飛ばしていった。それも2体同時に。ソフィアは仕事が増えて少し大変そうだった。ぼくは、魔力感知でゆっくり丁寧にコアを2つ取り除くことに成功した。


「これで依頼分は回収完了だな」


「そうだね。じゃあ、もどろうか」


「うーんもう少し探索してもいいか?また宝箱とかもあるかもだし」


「いいね。探そう探そう」


その後3人で9層を探索した。探してみると結構いろんなアイテムを拾うことができた。ぼくたちはホクホクしながら帰ろうとした。しかしソフィアが何かを見つけたようだった。


「どうしたのソフィア?」


「なんか今、小さい子がそこの道を横切ったような」


「こんなダンジョンに子どもが?」


「私もそう思うんだけど、見たの」


そういってソフィアは子どもを見たという方へ走っていった。ぼくたちも後を追う。すると確かに遠くの方に子どもらしき姿が見えた。


「本当だ。なんでこんなところに」


「とにかく保護しないと」


ぼくたちは、必死に追いかけたのだがなかなか追いつけない。走っているとその子は道の先にある階段を下りて行ってしまった。ぼくたちも後を追う。階段の先はまた迷路のようなダンジョンになっていて、また追いかけっこの始まりだ。しばらく追いかけているとその子はダンジョンの壁についていた扉を開けてその中に入っていってしまった。こんなところに部屋でもあるのだろうか。しかし、部屋の中に入ったのなら好都合だ。やっと保護できる。そう思ってぼくたちは扉を開けて中に入った。中はかなり広くなっているが、その子はその大きな広場みたいな部屋の真ん中に立っていた。


「君、こんなところに一人でいたら危ないよ!」


「どうして?」


その子が答えた。


「ここはダンジョンでいろんな魔物がいるからだよ」


「じゃあ、お兄ちゃんたちが遊んでくれる?」


「うん、一緒に遊ぶからこっちにおいで」


「やったあ。じゃあ、あそぼ!」


そう言うとその子の姿は見る見るうちに変わっていき、黒いマントを羽織った死神のような風貌になった。顔は当然骸骨


「あ、あれはリッチじゃ....」


ソフィアが震えた声で言う。


「リッチって10層のボスじゃねえのかよ!」


「ぼくたちはボス部屋に誘い込まれてしまったんだ!」


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