第46眠 ダンジョンボス2
「倒せるってどういうこと?」
「ほらあそこ見てごらん」
ぼくはクイーンの腹のあたりを指さした。すると、3本ほど刺さっているものがあった。
「あ、刺さってる」
「刺さってるってことはあそこがもろいってことじゃないか?」
ぼくたちは目を見合わせて、お互い思いついたことを話し、うなずいた。ソフィアはその場で魔力を集中させた。そして僕は、カッシュの近くに寄っていく。ソフィアの準備ができたようだ。
「カッシュ!いったん引くぞ」
その声を聞いてカッシュは不動の構えを解いた。ぼくは、走りながらエンチャントしていた。炎エンチャントされた剣を思いっきり振ると炎は斬撃となってクイーンの顔面に向かって飛んでいった。クイーンに目はないのだが、頭に触角のようなものがあり、ちょうどそこに当てることができた。クイーンは一瞬こちらを見失ったようだ。その間にカッシュと一緒にいったん引く。引きながら作戦を伝えた。カッシュは嬉しそうに了承してくれた。
「俺にかかってんな」
「そうだね。頼むよカッシュ」
そういって今度はぼくがクイーンに向かっていく。エンチャントしながら。先ほど触角に当てられたのがよっぽど嫌だったのか僕に向かって真っすぐ向かってきた。ぼくはさらにエンチャントして、いくつもの炎斬撃を飛ばしていく。クイーンがそれを感じて一瞬ひるむ。
「今だソフィア!」
ソフィアは大きな氷の槍を空中に作っていた。先がとても鋭利になっている。槍の後ろの方には白い花びらが後ろ向きに槍を囲むように咲いている。
「氷槍・ホワイトロータス!」
ソフィアが叫ぶと氷槍はクイーンの腹目がけて飛んでいき、見事に突き刺さった。クイーンは大きくよろめいた。
「やった!」
しかし、クイーンは腹に槍が刺さったままよろよろと起き上がる。
「かあああちいいいああああげええええ!」
カッシュがものすごいスピードで刺さっている槍のところに走っていっていた。
「土竜ぁあああああああ!!」
勢いよく走ってきたカッシュはハンマーを地面の破片を飛ばしながら地面からハンマーをかち上げ、その勢いで回転しながら飛び上がり、氷槍の花弁の部分にその勢いのままハンマーをぶち当てた。
「ギイイイヤアアアア!」
槍が腹にさらに深く突き刺さったのとハンマーもそのままの勢いでクイーンの体に当たったので、ものすごい衝撃がクイーンの体を走った。クイーンはそのまま後ろに倒れ、動かなくなってしまった。
「よっしゃああああ!」
カッシュが雄たけびを上げている。
「やったね」
「すごいよカッシュ!」
そこにぼくたちが走っていってカッシュに飛びついた。討伐完了だ!
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