第44眠 1〜5層

 ダンジョンに到着した。見た目は大きな神殿で、奥に大きな扉が見えており、そこに門番が立っていた。


「ダンジョンに挑戦するのかね?」


門番が訪ねてくる。


「はい!」


「では、ギルドカードを確認させてくれ」


三人のギルドカードを渡す。


「確かに確認した。三人ともEランクということで、転移は必要なさそうだな」


「転移できるんですか?」


「ああ。それぞれ、11層、21層、31層、41層、51層に転移魔法陣がおかれていて、ランクごとに転移できるところが決まっているのだ」


「なるほど。教えてくれてありがとうございます」


「いやいや、気を付けていくんだぞ」


「はい!」


こうして扉が明けられ、ぼくたちはダンジョンの中へと入っていた。1層は洞窟で、今のところは一本道だ。時々ゴブリンが出てくるのでそれを軽く倒していった。しばらく進むと分かれ道にたどり着いた。左に進んでみると行き止まりだったのだが、宝箱がおかれていた。開けてみると中には回復ポーションが入っていた。ありがたくもらい、戻って右の道に進むと下へと降りる階段を見つけた。このようにして難なく第4層まで進むことができた。ちなみにぼくたちが受けた依頼のゴーレムが出てくる階層は第9層だ。つまり5層のボスを突破しなければならない。ぼくたちは初めてのダンジョンボスに胸を躍らせながら5層に続く階段を下りて行った。階段を降り切るとすぐに大きな扉が現れた。


「ここがボス部屋か」


「わたし緊張してきた」


「オレははやく戦いたいぜ」


「よし、じゃあ行くよ二人とも」


二人はうなずいた。ぼくたちは一緒に扉を押す。扉がギギギーっと開き、その中は暗かったのだが、パパパッと壁にあった松明の火がともった。


「グギイイイイイイイイイイ」


奥からボスのものと思われる声が聞こえた。


バタンッ


後ろの扉が閉じる音だ。奥から体を地面に這わせている音がする。現れたのは、大きなケイブワームだった。ケイブワームはさっきの階層でも出てきていたが、こんなに大きいということは....


「クイーンケイブワームだ」


つまり4層にいたのはこのクイーンの子どもたちだ。


グギャアアアアアア!


「ねえ、トム。なんかすごく怒ってない?」


「多分、こいつの子どもたちを倒してきちゃったからじゃないかな」


「それってまずくねぇか?」


グゴアアアアアアア!


3回目に叫んだ後、クイーンケイブワームは襲いかかってきた。

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