第43眠 ダンジョン

 ぼくたちはEランクに昇格した。ということは一つ行くことができるようになったところがある。『ダンジョン』だ。Fランクでは行くことができなかった。ある程度の経験と実力が認められなければいくことができないからだ。ダンジョンは地下に広がっているものや空に伸びている塔のような形まで様々だ。ここから一番近いダンジョンは地下に広がっている。1~10層まではEランク、11~20層まではDランクと10層ごとに行ける冒険者のランクの目安がある。ちなみに51層から下はSランク冒険者のみが行けるのだが、未だ最下層に到達した者はいない。最高到達階層は62層だ。そしてこのダンジョンは、5層ごとにボスがいる。ボスは倒すと、レアアイテムをドロップする。使うと使用者をパワーアップさせてくれるアイテムや強力な武器、魔導書など様々だ。もちろん階層が下に行くほど敵も強くなり、ドロップするアイテムも強力なものになる。それを求めて冒険者たちは日々さらに下へと挑んでいくのだ。ぼくたちも自分たちのレベルアップのため、そして冒険者ランクを上げるためにダンジョンの近くにある都市『ジキート』に来ていた。


「やっと着いたね」


とさすがに疲れたのかソフィアがふうっと息を吐いてから言った。


「西門から出て最初にゴブリンを倒した村よりもさらに三時間くらい歩いたからね」


「腹減ったぜ。なんか食わねえか?」


時間はちょうどお昼頃だ。


「そうだね。腹ごしらえをしたらこの町のギルドに行ってみよう」


 ぼくたちはレストランを見つけてそこでおなかを満たしてからギルドへと向かった。この都市はダンジョンが近くにあるということもあり、冒険者が多いのはもちろんだがダンジョンからとれる資源も豊富なため、都市自体も王都に負けないくらいの賑わいを見せている。


 ギルドに入ると受付カウンターの多さにびっくりした。ランクごとに分けられているためだろう。受付カウンターの上にはランクを表す看板が天井から下がっていた。ぼくたちはEと書かれた看板のある受付に向かった。


「どうも!ダンジョンに挑まれますか?」


受付嬢が聞いてきた。小柄ではつらつとした女の子だ。


「はい。ぼくたち初めてなんですけど....」


「それでしたらギルドカードを確認させてください」


ぼくたちはそれぞれのギルド―カードをカウンターに出した。


「みなさんEランクですね。では、1~10層までがEランクの目安となります。それ以上の階層に挑戦することも可能ですが、おすすめはしませんしギルドは責任を負いませんのでご了承ください」


「大丈夫です。10層より下にはいきません」


「それなら大丈夫ですね。では、依頼をお選びいただいてもいいですし選ばず挑戦しても良いですがどうされますか?」


「ランク上げもしたいので依頼を受けていきます」


「ではこのゴーレム三体の討伐なんてどうでしょう」


「じゃあ、それでお願いします」


「わかりました。依頼達成にはゴーレムのコアが必要ですので倒したら忘れずに回収してくださいね。ではいってらっしゃーーい!」


こうして手続きを終え、ぼくたちはダンジョンへと向かったのだった。

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