第37眠 特訓と昇格
村に戻って村長に報告するととても喜んでくれた。あたりもすっかり暗くなっていたため、今日はこの村に泊まることになった。村で宴を開いてくれて、モーモーの肉を使った料理をこれでもかと準備してくれた。特に気に入ったのが、モーモーの肉とミルクを使った野菜たっぷりのシチューだった。肉は歯がいらないほどトロトロに煮込まれており、シチューに使われているミルクも滑らかでまろやかな口当たりで野菜をさらにおいしくしてくれていた。
「こんなにおいしいシチュー初めて食べました」
「ふぉっふぉっふぉ。そんなに褒めてくれるとは嬉しいのう。そうじゃ、モーモーのの肉とミルクを持っていきなさい。野菜があれば作れるぞ」
村長さんが嬉しそうにお肉を持たせるために村人に準備させてくれていた。
「いいんですか?」
「村の恩人にはこれでも足りないくらいじゃ。遠慮しないで持っていきなさい」
「ありがとうございます」
こうして夜遅くまで宴は開かれ、たくさんの料理を食べることができた。次の日の早朝に村人に送られてぼくたちは王都への帰路へと着いた。一時間ほど歩いてぼくたちは王都に着くとギルドに依頼完了の報告をしてからライトさんたちのパーティハウスへと帰ってきた。
「初依頼達成だな」
「はい」
「これからこんな感じに依頼をこなしてもらう。次は二人だけで依頼をこなせるだろう。大体の流れや準備するものもわかったと思うしな。で、依頼がない日は俺たちと特訓だ」
「特訓ですか!」
「前に約束したしな。きっちり鍛えてやるよ」
「ありがとうございます!」
「よし、じゃあ帰ってきたばかりだが早速特訓に入ろうか。トムは俺についてこい。ソフィアはメイのところに行くんだ。分かったな?」
「はい!」 「はい!」
こうしてぼくたちは特訓と依頼を交互にこなしながら2週間が経とうとしていた。ぼくたちは今ギルドでうれしい報告を受けている最中だった。
「トムくん、ソフィアちゃん。頑張ったわね。あなたたち二人はEランクへの昇格試験を受けられるようになりました!」
「本当ですかカティーさん!」
「ええ。2週間でここまで来るなんて早すぎるくらいよ。それで気になる試験内容なんだけど」
カティーさんはここまで言うとぼくたちが真剣な顔でつばを飲み込んだのを見て面白がり、言わずに溜めている。
「いったい何なんですか?」
「昇格試験の内容。それは、まんげつ草の採取です!」
ま、まんげつ草!?
魔物討伐じゃないの!?
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