第34眠 冒険者ギルド

 ぼくたちは、ライトさんと冒険者ギルドへと向かった。冒険者ギルドまでは歩いて10分ほどで着いた。中に入るとそこもまた活気にあふれていた。王都の冒険者ギルドということもあってかなり冒険者たちが集まっているのだそうだ。


「おお、ライト。今日は休むんじゃなかったのか?」


一人の大男がライトさんに声をかけてきた。白髪で、その髪と同じ色のひげを生やしている。年齢を感じさせないほど筋肉粒々で、着ているシャツのボタンがはじけ飛びそうだ。


「休みだったんだが、休んでいられなくなっちまってな。こいつらを冒険者にしてやらないといけねえんだ」


「そこにいる二人か」


「そうなんだ。トムとソフィアだ」


「よろしくお願いします」「よろしくお願いします」


二人で声をそろえて挨拶をした。


「で、二人とも。こっちのおっさんは、ギルドマスターのグランドさんだ」


「紹介が雑だな。まあ、よろしくな」


ギルドマスターだったんだ。どうりで威厳というか破棄というかがあるとおもったんだよな。


「てことで、こいつらをギルドに登録させてもらうぜ」


「ライトが見込んだ奴らなら大歓迎だ。二人とも期待してるぞ」


「おいおいプレッシャーかけんなよ」


そういって二人で笑っていた。


「じゃあ、こっちだ」


ライトさんについていくと受付の前まで来た。


「あら、ライトくん。今日は休みじゃないの?」


受付のお姉さんが話しかけてきた。


「カティーさん、それさっきもグランドさんに聞かれたよ。今日はこいつらの冒険者登録に来たんだ」


カティーさんというようだ。きれいで優しそうなお姉さんんだ。


「よろしくお願いします」「よろしくお願いします」


また二人であいさつをする。


「これからここで依頼をたくさん受けると思うからよろしくね。じゃあさっそく登録しましょう。この水晶に手をかざしてね。まずは男の子の方から」


ぼくはゆっくり右手をかざす。すると水晶が光りだす。


「トムくんね。はい!登録できました」


水晶の光がその光だけ空中に花火のように打ちあがったと思うとはじけて、光の中からカードが現れた。それをカティーさんが手に取りぼくに渡してくれた。


「初めての登録なのでFランクからのスタートになるわね」


カードにはカティーさんが言った通りFランクと書かれていた。


「では、次はあなたね」


ソフィアも同じように登録を済ませた。二人ともFランクだ。


「ランクはF→E→D→C→B→A→Sと上がっていくの。ランクを上げるためには、自分のランクの依頼を一定数こなしてもらって、ギルドに認められれば昇格試験に挑むことができるから頑張ってね」


「よし登録が終わったな」


説明を聞き終わるとライトさんが声をかけてきた。


「それじゃあさっそく。Fランクの依頼受けてみようぜ!」


そういって依頼書をたくさん持ってきてくれたのだった。

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