第33眠 冒険者になるために

 冒険者エリアに入ると、雰囲気が一変した。商業エリアとは違った賑わいを見せていた。酒場からの騒がしい声が主なのだが、道端での小競り合いがあったり、力比べをしている者たちもいる。


「こっちはこっちですごいね」


「すごい活気だね。ちょっとこの辺で聞いてみようか」


「そうだね」


通りがかった冒険者の人にライトさんたちのことを聞いてみると、


「おお、あいつらのところに行くのか。それならあっちだな」


とかなり良くしてくれて、すぐにパーティハウスを見つけることができた。


「ここか」


「ここだね。入ってみましょ」


「うん。すみませーん。誰かいますか?」


ドアに向かって声をかける。


「はーい」


出てきたのは、メイさんだった。


「あら、二人とも久しぶり。元気だった?」


「元気でしたよ」


「私も」


「それは良かった。ついに冒険者になりに来たんだね?」


「そうなんです。ほかの皆さんは?」


「今呼んでくるよ。まず中に入りなよ」


そういってメイさんはぼくたちを中に入れてくれた。二階建てになっていて、一階はリビングとキッチンになっていた。おそらく二階にそれぞれの部屋があるのだろう。


「みんなー!お客さんだよ」


そうメイさんが叫ぶと、二階から足音が聞こえてきた。


「お客さん?」


「そんな予定あったっすかね」


ガモンさんとレイさんが下りてきた。


「おお!お前らか。よく来たな」


「久しぶりっすね」


二人も喜んでくれている。


「ちょっと。ライトは?」


「あれ?降りてきてないんすか?」


「来てないわよ」


すると、二階からライトさんが遅れて降りてきた。


「ふぁ~あ。まだねみいんだけど」


ライトさんがおなかをかきながら降りてきた。


「あ?もしかして」


目をこすっている。


「トムとソフィアじゃないか。おい来てくれたのか。なんですぐ呼ばねえんだよ」


「いや呼んだわよ。あんたがねてたんでしょ!」


「そうだったか。わりいわりい。いやー嬉しいな」


「ライトさん、冒険者になりに来ました」


ソフィアも隣でうなずく。


「よしよし。トムは来ると思ってたが、ソフィアまで来るとはな」


「私もやってみたくなったんです」


「そうかそうか。ビシビシ鍛えるからな。そうと決まればはやくいかなきゃな」


「行くってどこに?」


ぼくはライトさんに素直に質問する。ライトさんはニヤッと笑って答える。


「決まってんだろ。まずは冒険者ギルドに行かなきゃなあ!」


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