第17眠 アレーゼの町

 ぼくたちはアレーゼの町に入るとすぐに盗賊たちを引き渡しにこの町の警備隊のところへと向かった。警備隊に盗賊たちを引き渡すと、かなり驚かれた。なんと盗賊たちはこの周辺でかなりの悪事を働いており、賞金首になっていたのだ。手配書には金貨8枚と書かれていた。ちなみに銅貨10枚で銀貨1枚分、銀貨10枚で金貨1枚分、金貨10枚で白金貨1枚分だ。銅貨が大体100円くらいだと思えば、わかりやすいかもしれない。ぼくたちは金貨8枚をもらうと、4枚ずつに分けた。マルコさんは全部もらってくれと言ったが、ぼくもマルコさんに命を助けられたので半分もらってくれと言うと、しぶしぶ受け取ってくれた。じゃあ代わりにと宿を紹介してくれるというのだ。


「ここが今日泊まってもらう宿になります」


マルコさんが馬車を止めて言った。


「私の店の隣なんですけどね」


「じゃあ、ここの人に奥さんを見てもらってるっていうことですか?」


「ええ。ここの奥さんに看ていただいています。ただ、旦那さんの方がこの宿に残っているので少しサービスは劣りますが大丈夫だと思います」


エマちゃんに少し馬車で待っているように言って、マルコさんはぼくと宿の中に入った。


「いらっしゃい。おや、マルコさんじゃないか」


「やあ、ゴディンさん。妻がお世話になってます」


「いやいや、困っているときはお互い様だよ。ウチはなぜかどちらも元気だしな」


わっはっはっはと豪快に笑っていた。


「で、そちらさんは?」


「この方はトムさんと言って私たちの命の恩人なんです。盗賊に襲われたんですが、トムさんが助けてくれて何とか帰ってこられました。だから今晩この人を泊めてあげてほしいんです」


「そうだったのかい。それは大変だったねえ。うちのお隣さんを助けてくれてありがとな。よし、丁度部屋も空いてるし泊っていきな」


「お代はいくらですか?」


「なに、気にすんな。自分で言うのもなんだが、ウチはまあまあ繁盛してるし、友達の命の恩人くらいタダで泊めてやるよ」


マルコさんもうんうんとうなずいていた。ここでぼくが払うというのはこの人たちの善意を無駄にしてしまうと思い、ありがたくタダで泊めさせてもらうことにした。


「ありがたく泊めさせてもらいます」


それを聞いてゴディンさんは


「よし、それではお部屋へご案内します」


と恭しくいって部屋へ案内してくれた。部屋はシンプルだが景色もよく街の明かりっがよく見える二階にあった。何よりベッドがふかふかでこれはよく眠れそうだと思った。お風呂に入り、簡単な夕飯を出してもらった。何が使われているのかわからなかったが、よく煮込まれたとてもおいしいスープとパンを出してもらった。おなかいっぱいになったので、ゴディンさんにお礼を言ってから部屋へと戻った。そしてそのままベッドへと入り、ぐっすりと眠ってしまったのだ。


 次の日とてもいい朝を迎えられた。


「いやぁ。よくねたなぁ」


昨日の疲れもとれて、むしろ元気になっている気がする。


チェック


ステータスを見てみると、経験値獲得倍率が×2.2となっていた。2倍を超えたの初めてだ。この宿の部屋が相当良い環境なのだろう。レベルは13になっていた。そして新しいスキルである、魔力探知Lv1、エンチャントLv1、錬金術Lv1が獲得可能スキル欄に増えていた。スキル獲得ポイントは丁度3余っていたので全部獲得した。これでポイントはなくなってしまったが、またレベルアップで獲得できるはずだ。新しいスキルも獲得できたところで、朝食を早々と食べ、この町の調査に出ることにした。





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