第7眠 同行

「さてと、君たちをお借りしたのは他でもない。なんか面白そうだったからだ!」


ボカッ


「いってええええ」


魔術師が戦士の頭を殴った。


「まじめにやんなさいよ。困ってるでしょこの子たち」


「殴ることないだろう。痛いなあ」


おそらくこういうやり取りを何回もしているのだろうなと思った。


「悪い悪い。まだ名乗ってなかったな。俺はライト。職業は戦士でこのパーティのリーダーをしている。よろしくな」


やはりこの人がリーダーだったか。


「でこっちの魔法使いがメイだ」


「よろしくね」


 さっきの殴ってた魔法使いだ。戦士にダメージを入れるほどの物理攻撃力を持っているのだろうか。


「で、こっちはレンジャーのレイ」


「うちがレイっす。よろしくっす!」


快活な女の人だ。


「最後にこのでけぇのが、ガモンだ」


「でけぇのってなあお前。まあ、よろしくな」


ガモンさんは頭をポリポリかきながらあいさつした。


「ぼくはトムです。よろしくお願いします」


「ソフィアといいます」


ライトは嬉しそうにうんうんとうなずいていた。


「さて、自己紹介が終わったところで本題に移ろうか。君たちを連れてきたのは、より詳しい情報を得たいということと、僕たちと一緒にこの周辺の怪しいところの調査をお願いしたいんだ」


「危険は私たちが取り除くから安心してね」


メイが安心する笑顔で言った。


「俺たちはそこそこ強いから安心してよ」


 ライトがドンと胸をたたく。ぼくは不安よりもワクワクが勝っていた。何故なら本物の冒険者パーティがそこにいて、一緒に調査してくれと言っているのだ。いったいどれほどの経験ができるのかと思うと、ワクワクが止まらなかった。


「ぼくでよければぜひお願いします」


ソフィアは少し緊張した様子だったが、


「わたしもいきます」


と言ってくれた。


「よぉ――し。きまりだ。今日は俺たちも疲れているから村周辺の調査をして、明日少し遠くまで足を延ばしてみようと思う。各自準備してくれ」


「了解」


その声でライト以外の3人は各自どこかへ行ってしまった。


「さあ、僕たちは君たちのご家族にあいさつに行かないとね」


 そこから三人で、それぞれの家にぼくたちが冒険者パーティとしばらく行動を共にすることを説明した。どちらも、冒険者と一緒にいる方が安全だろうと快諾してくれた。この人たちはかなり信頼されているのだなと不思議に思ったのできいてみた。


「ライトさんたちは有名な冒険者何ですか?」


「はっはっはっは。それを僕に聞くかい?」


「あ、すみません。村以外のこと全然わからないもので」


「そっか、それはしょうがないね。まあ、そんなに大したものじゃないよ。信頼されているのは、この村には何回か来たことがあるっていうのと、ぼくたちがAランクのパーティだっていうことだからかな」


「Aランクパーティ!?」


ひょっとしてものすごい人たちなのでは!?

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