第6眠 冒険者

 トムは早速、レベルアップをするために村のある場所に向かうために、アレックスさんに相談していた。


「アレックスさん。僕はどうしても強くなって、冒険者になりたいんだ。そのためにはこの村の桟橋の先の『暗い森』に行きたいんだ」


「うーん。トムくんが強いのは昨日の戦闘でよくわかった。だが最後の方、危なかった場面がなかったとは言えんだろ?」


「うっ、確かに」


 あの場面、ソフィアがいなかったらやられていたのは僕の方だった。


「じゃあ、どうしたら」


「そうだな。それこそ仲間がいてくれたらいいんだがな」


「ソフィアは一緒に行ってくれないかなあ」


「あの子も強力な魔力を持ってはいるがなあ」


 どうやらソフィアが一緒に来てくれても許してはくれなさそうだ。仕方なくアレックスさんの手伝いをすることにした。しばらく作業をしていると、何やら騒がしい声が聞こえてきた。声のする方へ目をやると、村人たちが何かを取り囲んでいるのが見えた。


「やっと来てくれたか」


 アレックスさんも嬉しそうにそちらへ向かっていく。僕も後を追う。人ごみをかき分けて中心近くまで行くとそこにいたのは、冒険者たちだった。甲冑を身にまとった戦士。魔法の杖を持った魔法使い。身軽そうな装備で背中に弓を背負っているレンジャー。大盾を持ったアーマーナイト。4人のパーティだ。


「出迎えありがとうございます。こんなに歓迎していただけるとは思っていなくて驚いていますが、僕らが来たからには村の安全は保障しますよ」


 戦士であろう青年が胸をどんとたたいて言った。彼がリーダーなのだろうか。


「まず状況を教えてください」


 村長が説明した。この村にはなかなか現れないワイルドボアが現れたこと。ゴブリンが集団でこの村を襲ってきたこと。そしてその中にリーダーがいて、そいつは取り逃がしてしまったことを。


「ワイルドボアは聞いていましたが、ゴブリンまで出ていたとは。よくリーダー以外を倒せましたね」


「それは、彼らがやってくれたんです」


 村長がそういうと村人たちに押し出されて、僕とソフィアが冒険者たちの前へと押し出された。僕とソフィアは目を合わせ、そして冒険者たちを見る。


「へえ、この子たちが」


「ええ。彼女は魔力が高く、冒険者になることを勧められたほどです。そして彼は、すさまじい剣技でゴブリンを倒してくれたのです。戦っていた男たちはみんな見ていました」


「それはすごいですね。状況はわかりました。早速なんですが....」


 戦士の彼は、僕とソフィアの肩に手を置き


「この子たち少し借りますね」


といった。彼らが僕とソフィアの運命を変えていくことになる?







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