~恥ずか死がり屋は今日も顔を伏せる。その1~

こ、こんにちは~。失礼しま~す。


(背後から忍び寄り、相手の首を絞める)


あっ、あっ、動かないで、暴れないで。顔見られたくないんです。ぼく、恥ずかしがり屋なもので。ほら、どうせ抵抗しても無駄ですから。

ね? ね?

とりあえず目立たないところ行きましょうか。


(抵抗する相手を、何ともなしに裏通りから裏路地へ連れていく)


……ふふっ、なんか面白いですよね。裏通りから裏通りに連れ出すって。意味合い的に。

あぁ、ごめんなさい。関係ない話しました。


えっと、個人的な恨みとかはないです。ちょっと依頼受けまして、橋爪会の人から。

こう言えば伝わりますかね?


……あっ、あっ、あーっ、よかった!

これで人違いとかだったら大変でしたよ。危うく赤の他人を殺めちゃうことになりますから。

それだとほら、ちょっぴり申し訳ないじゃないですか?


だから、安心しました。ありがとうこざいますね。分かりやすく息を呑んでくれて。


それじゃ、なるべく痛くないように終わらせますね~。あぁ、だから暴れないでって。顔見られちゃうじゃないですか、恥ずかしい。

はい、逝きますよ~? えいッ!


(ひょいっと首を360度回す。相手は力なく崩れ落ちる)


んー。ちょっと捻りが甘かったですかね。痛かったですか? ……あ、もう死んでるから大丈夫そうですね。


さて、と。じゃあ帰りますかね~。ネット注文してた品物がそろそろ届く頃ですし。

あぁ、そうだそうだ。その前に清掃員さんに連絡して、あと橋爪会の人に依頼料、口座に振り込んで頂かないと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

裏通りメインストリート 道星毛糸 @honhatomodati

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る