第2話実は理系だった
高校2年生時には、文系と理系に分かれる。だから、1年生の学年末テストと本人の希望で文系と理系を選択する。
僕は理系を選択していた。変な小説の読みすぎで、法医学を専攻したかった。
担任との話しあいで、先生に、
「僕は、法医学者になりたいのです」
「それは良いことだが、お前の偏差値じゃ、医学部合格は難しいだろうなぁ」
「じゃ、FBIの捜査官は?」
「よし、お前は警察官を目指せ。法学部は文系だから余裕だろ?」
「警察官かぁ~。コロンボも好きだからな」
「よし、決まり。お前は文系を選択しろ!」
「はい」
てな、会話が直前にあり、文系になったのだ。
文系にはライバルがいた。僕の彼女である。
ホントに頭が良かった。
ここに偏差値格差が生まれた。
学年1位と、学年20位のカップル。
僕は2年生の時から作られた特進クラスに国語が学年末テストで68点を現代文で取り、特進クラスに17点足りずに逃してしまった。
僕はただでは起きない。
「被害者友の会」を結成。僕と同じように、特進クラスを逃した同志8人を集めて、自分の得意科目を授業するのだ。
当初は8人スタートで結果を残し始めると、最後は20人を超えていた。
1学期の期末テストの結果。
特進クラスの担任であり国語教師は、
「今回のテストの1位は、このクラスの人間ではない。2組の羽弦と言う男だ。少し、たるんどりゃせんか?」
と、言ったらしい。
彼女は、初の1位に素直に喜んだ。
昼休み、僕は職員室に呼ばれた。
呼んだのは、2組の国語担当のおばちゃん先生。
「羽弦君。今回はおめでとう。現代文が98点はしびれたわ。漢文、古文もほぼ100点で、私は鼻が高いわぁ。次もやってくれるよね?」
僕は有頂天で、
「先生、お任せ下さい。どうか、大船に乗ったつもりで」
そして、2学期の中間テスト。
現代文68、漢文50、古文70と散々な点数。
おばちゃん先生は、僕の結果を知ってしばらく、目が明後日を見ていた。
こう言うテスト生活を送ったが、学年末テストは絶好調で、被害者友の会のメンバー7人も特進クラスに入る事が出来た。
特進クラスは、朝の7時半から補習があり、6時間目の後にも補習があった。
こんだけ勉強して、自宅でも勉強するんだから、力が徐々に付いていくのも理解できる。
しかし、髪の毛は色気付いて茶髪だった。
生徒指導の先生に竹刀で1回殴れただけで済んだ。
これが、僕の基礎学力の源である。
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