第27話 合宿所へ!

すごく濃ゆかった一学期も終わり、終業式の日がやってきた。


 そんな日に私たちトップ四は校長室に呼ばれいた。


「お! 久しぶり!」


 校長室に入ると月城さんが校長先生とそして……。


「野々原先生も!?」


 英雄なのは教えてもらったけど、どうして。


「ウチが説明しよう!」


 美羽が月城さんたちの方は歩き、私たちの方を振り向く。


「ウチの家が持ってる別荘で合宿することになったのよ! 感謝しなさい! それで先生も英雄だし付き添ってもらうことにしたのよ!」


 美羽……お金持ちって聞いてたけど、まさか別荘まで持ってるなんて。


「まぁ大体そんな感じだ」


「そ、それじゃ六人で行くと言うことですか?」


 確かに……。意外と大掛かりな合宿になってきた感じする。


「まぁ行くのはだな」


 なんか意味深な話し方だな月城さん。


「出発は前々から告知してた通り明日! まぁ気晴らしにでもいいから水着でも持ってくれば?」


 げっ!水着なんて私……恥ずかして着れないんだど。


「やった! 楽しみね!」


 この中で一番美羽がはしゃいでいる。全く……。


「なら私も帰って準備するね」


 にっちゃんも少しウキウキしてる表情だ。合宿とは一体……。


「それじゃあ解散!」


 私たちは各々家に帰り準備を始めることとなった。


「……水着かぁ」


 別に持ってないわけではないんだけど……。


「にっちゃんに見せるってのがなぁ」


 私は自分の布団に水着を置いて眺める。


ポワポワと思い出すにっちゃんの裸。


(何考えてんの私! 合宿に行くだけじゃない!)


 私は荷物をまとめて準備を完了させ翌日を迎えた。


ーーーー


夏休み初日。


「行ってきまーす」


 遺影に挨拶して玄関で靴を履き終わる。


「行ってらっしゃい!頑張っておいで!」


 お母さんに笑顔で送られ、私は走って学校へ向かった。


「遅いわよ! 空!」


 学校へ着くとすでにみんな集合していた。


「み、みんな早いね」


「な、なんだかワクワクしちゃって」


 氷華ちゃんの気持ち、ちょっと分かるかも……。修行なのは分かってるけど、楽しみって気持ちもある。


「さてと……全員揃ったな」


 月城さんがみんなを見て話す。


「お願いしますな」


 校長先生も出迎えにきてくれた。


「任せてください。安心安全に修行させますので」


大人の会話だなぁ。私もいつかこんなふうになるのかな。


「それじゃ! 行くぞ!」


『はーい!』

 

 こうして私たち六人は車に乗り込み、合宿所へと向かった。


ーーーー


「……にしては遠くない??」


 別に海が遠いって訳じゃないけど、もう一時間半くらい車に揺られている。


「そりゃあ別荘なんだから山奥に決まってるでしょ!」


 美羽が自慢げに話す。確かに別荘ってそんなイメージだけど。


「私は楽しいけどね」


 にっちゃんは外をぼやーっと眺めながら話す。氷華ちゃんは楽しみで夜中寝れなかったのか、爆睡中だ。


「あ! あれよ!」


 綺麗な海沿いに立つ大きな家。


「いや、でっかぁ。誰も住んでないの?」


 お金持ちってすごいなぁ。


「住んでる訳ないじゃない。 夏に家族で来るくらいよ!」


 大きな白い家に着くと氷華ちゃんを起こして車から出る。


「さぁ! 入るわよ!」


 美羽が鍵を開けるともうそこはお城だった。


「管理されてるんだ」


 にっちゃんもこれには驚いたみたい。確かに誰も住んでないなら汚れてるのかなとか思った。


「ただ部屋が問題でねぇ。布団のある部屋が四つしかないのよ」


「野々原先生と、月城さんは別々で確定としても後二つ」


「なら、クラス別でいいんじゃないかしら?」


 野々原先生の助言におぉーとみんな納得する。


……って!


 にっちゃんと合宿の間一緒に寝るのーー!?

 


『ガチャリ』


 部屋を開けると綺麗な部屋にダブルサイズ程度の布団が一つ。


「うわぁきれいだね」


 にっちゃんは部屋に見惚れていた。確かにこんな部屋に来ることなんてそうそうないからなぁ。


「それにしてもすごいね。食料も後から執事?が持ってくるとか」


 何も完璧……。


そんな他愛もない会話をしながら、荷物を置いて私たちは動きやすい服に着替え、玄関へ向かった。


「さてと! 今から合宿を約一週間行う訳だが」


 みんな動きやすい服に着替え限界で月城さんと野々原先生の話を聞く。


「基本的に海辺で活動するから、熱中症とか気をつけるように!」


『はーい!』


 みんなで水筒片手に海辺の方へ歩いて行く。


『ザァーザァー』


 綺麗な海。ここで一週間合宿するんだ!


「ここはウチらのプライベートビーチなの! 思う存分暴れまわれるわよ!」


 美羽が一番先に走りす。自分の別荘に親友を呼べて嬉しいんだろうなぁ。


 みんな荷物を置き、改めて月城さんの前に集合する。


「まず、トレーニングを開始する前に! スペシャルゲストをお呼びしてます!」


 その言葉に四人はポカーンとする。野々原先生は知ってるみたいだ。


『バサ……バサ』


 ん?羽ばたいてる音だ。音の方を見ると。


「な!」


「あ、あれが!」


 その少女はゆっくりと月城さんと私たちの間に着地する。


「やぁ!久しぶり!」


 助けられた大天使。


「み、宮里さん!?」


 こうして大天使を迎えた私たちトップ四の夏の合宿が始まった!

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