第4話 バトルロワイヤル開始!
学戦の朝、校門前でにっちゃんと出会う。
「おはようにっちゃん! 今日はいよいよ学戦だね!」
私は、この日を楽しみに待ってた! ここで一番になって、もっともっと強くなりたい!。
「私は、そこまで乗る気じゃないかも……」
にっちゃん、なんだか今日は元気ないなぁ…。あんまり戦うことが、そこまで好きじゃないみたいだし。
「おはようございます! 今日はいよいよ学戦! みんな着替えて、各自指定の体育館に行くようにしてください」
ホームルームを終えて、にっちゃんと一緒に更衣室へと向かう。
「にっちゃんと同じ組じゃないのか……ざんねーん」
振り分けの結果、私は第三体育館。にっちゃんは第一体育館だった。
「でも予選で当たっても、私はなんか嫌かな」
にっちゃんは着替えながら冷静に話す。
「そうだね! せっかくなら決勝で戦おう!」
二人でほのぼのと話していると、後ろから綺麗な白髪ロングの少女が話しかけてきた。髪止めの赤いリボンが可愛い。
「なによ! 決勝? 笑わせないでウチがみんなボコボコにしてやるわよ!」
もの凄く気品のある見た目をしてるのに態度がキツい人だなぁ……。
「貴女お名前は?」
にっちゃんはいつだって冷静。だから、こんな些細な煽りには負けない。私はちょっと、イラッとしたけどね。
「ふん! 戦う時が来たら教えてあげる! 精々頑張りなさい!」
綺麗な髪をなびかせながら、その少女は更衣室を後にした。
「感じわる」
私の本音が出てしまう。なんかこういう人ってすごい弱いイメージあるなぁ。
「それじゃ……私いくね」
にっちゃんは着替え終わり、私を見て一声掛ける。
「うん!お互い決勝戦で!」
にっちゃんとハイタッチし、私も体育館へと向かう。たくさんの人たちが行き交う中、私は第三体育館へと向かった。
体育館に着くとみんなざわめていた。緊張する者、素振りをする者。私もこの緊張感に飲み込まれそうなその時……。若干老いた男の人の声が耳に入る。
「えー。諸君いよいよこの日がきました。新設校での初代王者が決まります。……ではまず一次テストとして、バトルロワイヤルをしてもらいます」
入学式以来の校長先生。他の体育館と同時にしてるからか、モニター越しだ。
「ルールとしては規定の線より外に出たらアウト。最後の1人になるまでしてもらうます。殺すのも禁止、また範囲内でも戦闘が続行できないと判断した場合は失格。保健部が救出します。それ以外で危険とみなした場合は、先生が判断し止めに入ります」
私は校長先生の話を聴きながら周りを見渡す。
服装の違う保健部と先生。この人たちのお世話には、ならないようにしよう。
だいたい百人くらい集まっていた。二階には参加できなかった小さな子たちも来ていて、観戦してるようだ。いよいよ始まるんだ! ドキドキが収まらず心臓に手を添える。
「それではみなさんの健闘を祈ります。では……はじめ!」
校長先生の合図とともに、武器を持ち中心に駆け出す人。遠くから魔法を撃つなど様々な攻撃方法で、いよいよ予選が始まった。
私も両腰に装備してる二つの短剣を取り出し、中心へと向かう。
「はぁぁあああ!」
目の前にいた少年をロックオンし、刃を振るう。少年もすぐに私に気づくと剣と剣がぶつかり合う。
「くっ……! いきなり落ちてたまるかよ!!」
剣と剣がぶつかり合う音。私はジリジリと少年を剣を押していく。
「こいつ……なんて力だ!」
少年も必死に押し返そうとするも、私の力で優位な姿勢へと押していく。
「そんな力じゃ、私は倒せないよ!」
少年が剣に力を加えて集中してる隙に、私は足払いをすると少年はこけそうになるが、踏ん張る。
「くっそ……!こいつ!」
少年はムキになったのか、武器を持つ姿勢もグチャグチャのまま私に剣を振るう。
「そんなんじゃ、勝てないって!」
私は少年の剣を短剣で弾き飛ばすと、びっくりしたのか慌てふためいていた。
「残念だけど、きみはここまでだよ!」
少年が焦ってる隙に、すぐさま懐に入り腹に一発拳を振るう。
「がは……!!」
勢いそのままに、少年は範囲外へ飛んで行った。
「よし! まずは一人!」
一人落とせたことにホッとする。周りを見渡すと今は一対一で戦ってる人の方が多い気がする。
「にっちゃん大丈夫かな……?」
実力は知っててもこの大人数……。さすがに心配。だけど今は自分のことに集中しなくちゃ!
魔法や剣がぶつかる音が体育館中に響く。
「よし! いこう!」
一つ気合を入れて、私は戦場へと再び走り出した。
ーーーー
「こいつー!」
『バン!』
銃声により少年は右肩を撃ち抜かれ倒れる。
同時刻ニエベスは、冷静に一人一人を対処していた。
「後ろがら空きなんだよ!」
背後から三人の生徒が襲い掛かる!
「何人こようが、私は負けないよ。」
『バン!バン!バン!』
目にも止まらぬ早撃ちに、三人の生徒はその場に倒れる。
「う、動けない……なんで?」
「それは麻痺弾。ただし普通の麻痺弾より刺激が強いけどね」
「そんなの聞いたことないよ!」
少年は悔しそうにするも、麻痺弾により動けない。
「私のオリジナルだからね……それじゃ。」
一言発すると、ニエベスは戦場へ駆け出す。
「空ちゃん……大丈夫かな」
お互いが、お互いの心配をすると共に、二人は着実に人数を減らしていくのであった。
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