第17話 ロミオとジュリエット Romeo and Juliet

バレエ『ロミオとジュリエット』

Romeo and Juliet


曲:セルゲイ・プロコフィエフ

振付:レオニード・ラブロフスキー

初演:キーロフ劇場 一九四〇年


§ 登場人物 §           


~モンターギュ家

モンターギュ夫人

ロミオ(モンターギュの一人息子)

ベンヴォーリオ(モンターギュの甥)

バルサザー(ロミオの召使)


~キャピュレット家

キャピュレット夫人

ジュリエット(キャピュレットの一人娘)

ティボルト(キャピュレット夫人の甥)

サムソン(キャピュレット家の召使)

ジュリエットの乳母


~その他の登場人物

エスカラス(ヴェローナの大公)

パリス(大公の縁戚、青年貴族)

マキューシオ(大公の縁戚、ロミオの友人)

ロレンス(フランシス派修道僧)



(物語)

第一幕

イタリア・ヴェローナの街

名家モンターギュ家とキャピュレット家は抗争を繰り広げていました。

ある日、キャピュレット家で舞踏会が開かれることになりました。

モンターギュ家の一人息子であるロミオは仮面をつけてキャピュレット家の舞踏会に忍び込みます。

舞踏会ではキャピュレット家の一人娘であるジュリエットが婚約者のパリスと踊っていましたが、偶然、ロミオと目が合い、たちまち二人は恋に陥ってしまいます。

仮面舞踏会のあと、ジュリエットのことが忘れられないロミオはキャピュレット家に忍び込みます。


バルコニーの下にたどり着いたロミオ。

ジュリエットの声が聞こえてきます。


※有名なセリフなのですがいろいろな風に訳されますので原文では ⇒

O Romeo,Romeo! Wherefore art thou Romeo?

だそうです。見たこともない英語……シェイクスピアの時代の古い表現で、今の英単語にすると、

Oh Romeo,Romeo! Why are you Romeo?

「ああ、ロミオ。あなたはどうしてロミオなの。」


……と、この辺りで原文ではかなり有名なセリフが連発してきます。

ジュリエットは自分が恋をしてしまったロミオがモンターギュ家の一人息子であることを嘆きます。

ロミオはジュリエットの前に姿を現し、お互いに思いを伝え合います。


第二幕

翌朝、ロミオは神父ロレンス修道士のもとに向かいました。ジュリエットとの結婚を懇願するロミオ。

モンターギュ家とキャピュレット家の和解を望んでいたロレンス修道士は、この二人の恋が両家の和解のきっかけになるのではないかと考えます。

そしてジュリエットと証人となるジュリエットの乳母を呼び、秘かに二人の結婚式を挙げます。

ロミオと親友のマキューシオ、ベンヴォーリオたちは、ジュリエットのいとこであるティボルトに出くわします。

ティボルトから挑発を受けますが、ティボルトはジュリエットのいとこであるためロミオはその場を治めようとします。

しかしマキューシオとティボルトは剣を抜き、斬り合いの末、マキューシオは息絶えてしまいます。

それを見たロミオは怒りを抑えられずティボルトに斬りかかっていきついには殺してしまいます。

この騒ぎにかけつけたヴェローナの大公エスカラスはロミオの追放を決めます。


第三幕

ジュリエットはいとこのティボルトの死とロミオの追放の知らせを聞き悲しみます。

ロレンス修道士はこの話を聞き、ジュリエットとロミオの結婚を公表し、追放されたロミオを呼び戻そうとしました。

一方、キャピュレット家では両親がジュリエットにパリスと結婚するよう命じます。

ロミオを愛するジュリエットはそれを拒み続け、怒った父親はジュリエットを勘当してしまいます。

周りに相談する人もおらずジュリエットは孤立してしまい、ロレンス修道士に助けを求めます。

相談されたロレンス修道士は仮死の毒を使った策を提案します。

ジュリエットが一時的に仮死状態になり、周りに死んだと思わせた後、薬が切れ目が覚めたところで、ロミオとヴェローナの街から逃げるというものです。

パリスとの結婚式の前夜、ジュリエットはこの計画を実行します。

ロレンス修道士はこの計画をロミオに知らせるため手紙を送る準備をしていました。しかし、手紙を託した者がロミオに手紙を渡す前に思わぬハプニングに遭い、ロミオに手紙を渡せなかったのです。

その頃、ロミオは従者からジュリエットが死んだという知らせを聞きます。

それを確かめるため霊廟に向かうロミオ。ちょうど霊廟に着いたとき、運悪くパリスに出くわしてしまいます。

パリスはジュリエットのいとこのティボルトを殺し、ジュリエットを死に追い詰めたのもロミオだといい、パリスとロミオは戦うことになります。そして戦いの末、ロミオはパリスを殺してしまいます。

ロミオはジュリエットが死んでいると思っています。

ロミオは横たわるジュリエットの傍らで毒を飲んで自ら死んでしまいます。

間もなくジュリエットが目を覚まします。

しかし、傍らで息絶えているロミオを目にして、ジュリエットもロミオの後を追ってそばにあった短剣で胸を刺して死んでしまいます。


町中が大騒ぎになりキャピュレット家キャピュレット夫妻とモンターギュ家モンターギュさんがやってきます。すでに息絶えたロミオとジュリエットを見て両家は一旦は喧嘩になりそうになりますが、居合わせたロレンス修道士にここまでの経緯をすべて聞き両家は仲直りします。


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ロミオとジュリエット

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「ロミオとジュリエット」原作はウィリアム・シェイクスピアの作品です。

バレエをあまり見たことのない方でも、バレエ作品として「白鳥の湖」や「眠れる森の美女」、「くるみ割り人形」は聞いたことがある。

「ジゼル」や「コッペリア」、「ドン・キホーテ」というのも聞いたことがあるという方は多いと思います。

でもストーリーを知っているか……と聞かれればあまり知らない方がおおいのではないかと思います。

「眠れる森の美女」はわかるとしても、それ以外の作品はストーリーは知らないのではないかと思います。


ところで「ロミオとジュリエット」は?


「何か二つの家が喧嘩していて、その両家の息子と娘が恋をするみたいな話。」「なんか最後はジュリエットが死んで、それを見たロミオが死んで、死んでたと思ったらジュリエットが生き返って、ロミオが死んだのを見て、またジュリエットが死ぬみたいな話」「なんで生き返ったり、また死んだりしたのだろう?」みたいな……

何かざっくりすぎるほどざっくり知っている作品ではないかと思います。

シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」といえば、世界史だか、国語だかの文学史か何のかのところで学校でも習っていると思います。

ミュージカル「ウエストサイドストーリー」は「ロミオとジュリエット」がもとになってる作品なんだ……などと、いたるところで耳にしてきた作品。

でも、やっぱり原作のストーリーは意外と知らなかったりするかもしれませんね。



§ 原作「ロミオとジュリエット」 §

結構面白い原作のセリフや言い回し

原作は劇の台本

セリフで話がつながっていきます。

「ロミオあなたはどうして~」のセリフはあまりにも有名ですが、結構、おもしろいセリフやエピソードがちりばめられています。

たとえば最後の方でロミオが死んだジュリエットが安置されているところへ行くとき……実際は眠っているだけなのですがロミオはジュリエットが死んだと思っていますから、途中、薬屋で毒を買う場面があります。薬屋で毒薬を売っているというのもすごいですが……

ロミオがジュリエットの傍らで毒を飲んで死ぬ物語のなかで悲劇のクライマックスの一旦となるこの場面、実はロミオが毒薬を飲んだ後、死ぬ前に言うセリフがあります。

それは……

「おお! 薬屋! おまえの薬はよく効くぞ!」みたいなことを言います。

他にも「なにこのセリフ?」みたいなのがでてきます。


他にも……

 ジュリエットが死んだふりをしたときロレンス修道士がロミオに「ジュリエットは死んだふりをしてるだけ」という内容の手紙をジョンという僧に託します。しかしその手紙はロミオに届きません。

 理由は僧のジョンが家を出ようとしたとき検疫官が家に来て「あなたは伝染病患者がでた家族の家に居合わせたから外出禁止といって家の戸口を封鎖された……と。

 なんかコロナみたいですね。濃厚接触者ダメ!みたいな





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