第15話 エスメラルダ La Esmeralda

バレエ『エスメラルダ』

La Esmeralda


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はじめに……

 以前「ラ・バヤデール」を書かせて頂いたとき、私の好きな作品なので気合が入ります……と前置きをしたことがありましたが、この作品も「ラ・バヤデール」と並んで、最も好きな作品の一つですので、かなり気合が入ります。

 ちなみに私の好きなバレリーナ:ヤンヤン・タンさんのエスメラルダはYouTubeで見られますね。


Grand Pas de Deux Esmeralda - Yuan Yuan Tan. F. Diaz


 この中でヤンヤン・タンさんの女性ヴァリエーションとコーダ凄すぎです……とヤンヤン・タンさんばかりに目が行く私ですが、一緒に踊っている男性はフェリペ・ディアスさんという方のようですが、この人も凄すぎます。なんて余裕のある綺麗な踊りなんでしょう。まさにノーブルという感じです。所作が美しすぎます。


 原作はもちろんヴィクトル・ユゴーの「ノートル=ダム・ド・パリ」です。

実は原作「ノートル=ダム・ド・パリ」ヴィクトル・ユゴーは(辻昶・松下和則 訳)として、二〇一六年五月に上巻・六月に下巻という全二巻で岩波文庫から改訂されて出版されています。

 以前は全三巻で販売されていたようですが改訂のためか、長らく書店から姿を消していたように思います。ユゴーといえば「レ・ミゼラブル」ばかりが書店に並んでいたように思います。「ノートル=ダム・ド・パリ」は有名ですが、あまり見かけない作品でした……そういえばディズニー映画で取り上げられましたね。


それでは前置きはここまでで……物語を……

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ノートル=ダム・ド・パリ

曲:チェザレ・プーニ

振付:ジュール・ペロー

アグリッピーナ・ワガノワ

初演:ハー・マジェスティーズ劇場(英) 一八四四年

原作:ヴィクトル・ユゴー



登場人物

エスメラルダ(ジプシー踊り子)

フェビュス(衛兵隊長)

フロロ(聖職者)

カジモド(ノートルダムの鐘つき)

フルール(フェビュスの婚約者)

グランゴール(町の詩人)





(物語)

プロローグ

ノートルダム寺院


 寺院の前に赤ちゃんを抱いた女性が倒れていました。

 そこへ通りかかったジプシーたちは女性が死んでいると思い赤ちゃんを連れ去ってしまいます。

 しばらくして女性は意識を取り戻すのですが赤ちゃんは連れ去られたあとです。女性は泣き叫びますが、もうどこにも赤ちゃんの姿はありませんでした。


第一幕

 その時の赤ちゃんはエスメラルダと名付けられ美しい女性に成長していました。エスメラルダはジプシーの踊り子として町でも有名でした。

 エスメラルダはノートルダム寺院の前の広場で殺されそうになっていた詩人グランゴールを助けます。


 グランゴールはエスメラルダを好きになります。そのときの一部始終を見ていた聖職者フロロはエスメラルダの美しさに魅了されます。寺院で鐘つきの仕事をしていたカジモドもエスメラルダに優しくされエスメラルダを好きになってしまいます。

 フロロのエスメラルダへの思いは日に日に強くなっていき、カジモドにエスメラルダを誘拐してくるように言います。

 エスメラルダを誘拐しようとするカジモド。すんでのところで衛兵隊の隊長であるフェビュスに助けられます。

 エスメラルダは自分を助けてくれたフェビュスに恋をしてしまいます。

 しかし、フェビュスには婚約者フルールがいました。悲しむエスメラルダ、フェビュスもまたエスメラルダのことが忘れられません。

 グラスゴールはエスメラルダに拒まれ彼女のもとを去ります。執拗にエスメラルダを追いかけてくるフロロは彼女のことを諦められません。フロロの怒りはフェビュスに向いてきます。


第二幕

 ジプシーという身分であることからエスメラルダのフェビュスへの恋はかないません。

 フェビュスとフルールの婚約の宴が催されます。その催しの中でジプシーたちが招かれ踊りを披露することになります。ジプシーの中にエスメラルダもいました。悲しみに暮れるエスメラルダですが、踊り子の中でもひときわ魅力的な踊りを踊る彼女にフェビュスは惹きつけられます。

 宴が終わった後、再びフェビュスはエスメラルダに会います。

 嫉妬に狂ったフロロは彼を引き止めようとするカジモドを振り切ってフェビュスを刺します。フェビュスは誰に刺されたかわからないまま意識を失ってしまいます。

 そしてエスメラルダはフェビュスを刺したという罪を着せられて捕まってしまいます。


第三幕

 無実の罪を着せられ処刑されることになったエスメラルダ。

 フェビュスはエスメラルダが自分を殺そうとしたと信じ込み婚約者フルールと結婚することを決めてしまいます。

 フロロは自分と結婚するなら処刑を取りやめてやるといいます。しかし、エスメラルダはフロロの言葉を拒絶します。フロロは怒り、エスメラルダを見捨ててしまいます。

 エスメラルダを救おうとジプシーの仲間やカジモドも頑張りますが叶いません。

 エスメラルダの処刑の日、彼女を探し続けていた母親はやっとエスメラルダを見つけることができますが間に合わず、エスメラルダは処刑されてしまいます。

 エスメラルダの母親は悲しみ生きる希望を失い息絶えてしまいます。


悲しみに暮れるジプシーたちとカジモド……


カジモドは怒りを抑えられずフロロをノートルダム寺院から突き落とします。


fin


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「エスメラルダ」というバレエ


 このバレエ「エスメラルダ」はローランプティ振付の「ノートルダム・ド・パリ」という作品もありますが、今回は「エスメラルダ」という作品で紹介させて頂きます。


バレエ「エスメラルダ」の中で

「ダイアナとアクティオン」のパ・ド・ドゥという踊りが踊られます。

このパ・ド・ドゥは主役の踊りではありませんが、コンクールで踊られたり、ガラ・コンサートの中でプリマやプリンシパルのダンサーが踊ることもよくあります。


※パ・ド・ドゥ:ソリストやプリマ、プリンシパルのダンサー。女性と男性が2人で踊ります。

アントレ:華やかな曲で女性と男性が登場してくる

(プリマ、プリンシパル登場する前に数人あるいは群舞で踊るもの、アントレがないのや微妙なのもある)

アダジオ:ゆっくりした曲で男性が女性をサポートしたりリフトしながら踊る

男性ヴァリエーション:男性のソロ

女性ヴァリエーション:女性のソロ

コーダ:華やかな曲で男性、女性がそれぞれテクニックを見せる


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その他の作品


「晴ときどきそよ風」

https://kakuyomu.jp/works/16817330656678294387


「やさしい風に包まれて」

https://kakuyomu.jp/works/16817330655586298809

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